0008 (成人の浸出された右脛骨の遠位部分:前頭断図)

J0008 (成人の浸出された右脛骨の遠位部分:前頭断図)
これは背側の半分で、腹側の面からです。拡大:8:1.
この図は、成人の右脛骨・骨幹端(遠位部)の前頭断を約8倍に拡大して示したものです。背側半分を腹側面から見ています。
- 見えている白い梁状構造は海綿骨(骨梁)で、黒く抜けている部分は骨髄腔です。外周のやや厚い帯は皮質骨の殻です。
- 骨梁は一方向に長く伸びるもの(主圧縮骨梁)と、それらをつなぐ斜走・横走の骨梁(主張力骨梁)が格子状に組み合わさり、荷重方向に応じた「トラス」構造を作っています。踵接地から前足部へ体重が移る際の力を、距骨・距腿関節を経て脛骨遠位に伝えるための配列です。
- 画面の表示方向は、上が遠位、下が近位、左が内側です。内側皮質は相対的に厚く、荷重側であることを反映します。
- 臨床的には、この領域は骨梁の走行に沿って応力が分散されるため、骨粗鬆症では骨梁の粗鬆化や連続性の断裂が目立ち、脛骨遠位骨折のリスク評価や画像所見の理解に直結します。
要するに、遠位脛骨の「荷重に最適化された海綿骨アーキテクチャ」を示す標本で、皮質骨の殻と内部の方向性ある骨梁ネットワークが見どころです。
アノテーション
00
A02_0900(脛骨)Tibia →Tibia【脛骨】Tibia; *Shank bone; *Shin bone (A02_5_06_001)
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A01_0039(遠位)Distal →Distalis【遠位;末端】Distal (A01_0_00_036)
02