0019 (右の踵骨:外側からの矢状断図)

J0019 (右の踵骨:外側からの矢状断図)
これは何の図?
- 右足の踵骨の矢状断(外側から見た像)
- 白い網目は海綿骨の骨梁(こつりょう)で、荷重や牽引の方向に沿って配列しています
- 図縁の注記
- 背側=足背方向
- 足底=足裏方向
- 近位=体幹側、遠位=つま先側
見どころ(骨梁の配列)
- 後方の踵骨隆起から前方へ弓状に走る「圧縮骨梁群」
- 上方外側から前下方へ斜走する「牽引骨梁群」
- アキレス腱付着(踵骨隆起)からの牽引ストレスに対応
- 前部(前方突起〜立方骨関節面)へ向かう細かな骨梁
- 骨梁が交差する“力学的アーチ”
- 足底方向へは厚く、背側へは薄くなる非対称な断面で衝撃吸収に有利
力学と機能
- 立位時の体重は「踵骨隆起 → 骨梁アーチ → 距骨下関節 → 前部関節面」へ分散
- 歩行の蹴り出しではアキレス腱の牽引が骨梁アーチを締め、剛性が一時的に増す
臨床的ポイント
- 踵骨骨折では骨梁アーチの崩れがボーラー角低下として現れ、後足部の高さと力の伝達効率が低下
- 慢性的な足底痛や足底腱膜炎では、足底側の荷重線が過剰になり骨梁の応力集中が背景になることがある
- 骨粗鬆症では骨梁が疎になり、踵骨は早期に計測対象(定量超音波など)となる部位