0017 (右の脛骨、上部の端部:前面断図)

J0017 (右の脛骨、上部の端部:前面断図)
図の概要
- 右脛骨近位端の前額断(正面断)。骨梁構築と皮質骨の厚薄がわかる一枚です。
見える構造
- 骨端線(線状の境界)
- 近位骨端と骨幹端の境界を示す瘢痕線で、成長停止後に「骨端線」として残存します。矢印で示されています。
- 皮質骨と海綿骨
- 外周は緻密な皮質骨。内部は海綿骨で、荷重方向に沿った骨梁が放射状から扇状に走行します。脛骨高原の支持に対応した配列です。
- 脛骨高原〜顆間隆起部の輪郭
- 上縁の山形の部分が顆間隆起相当で、前十字・後十字靱帯付着域を含むエリアに一致します(本図は骨梁像が中心)。
意義
- 発生・成長
- 近位脛骨の成長板は思春期まで長軸方向の成長に寄与し、閉鎖後は骨端線として読めます。骨年齢評価や外傷後の線維骨化の判読に有用。
- 荷重伝達
- 骨梁の扇状配列は膝関節面から脛骨幹へ荷重を分散する設計。骨粗鬆症や長期免荷では梁の疎化が出ます。
- 臨床
- 骨端線付近の骨折は成長期で予後に直結。成人では骨嚢腫や疲労骨折、TKA前評価で皮質厚や骨梁パターンが参考になります。
アノテーション
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A02_0900(脛骨)Tibia →Tibia【脛骨】Tibia; *Shank bone; *Shin bone (A02_5_06_001)