0344 (右下脚の靱帯:前面からの図)

J0344 (右下脚の靱帯:前面からの図)
図の概要
- 主題: 右下腿の靱帯と骨(前面観)。脛骨と腓骨の間の靱帯結合と、足関節外側の支持靱帯が中心です
番号付き構造の説明
- 01 前腓骨頭靱帯(Lig. capitis fibulae anterius)
- 上脛腓関節(近位脛腓関節)の前面を補強し、腓骨頭を前方から固定
- 02 腓骨(Fibula)
- 下腿外側の細長い骨。荷重は主に脛骨が担い、腓骨は筋付着と外果形成に関与
- 03 下腿骨間膜(Membrana interossea cruris)
- 脛骨と腓骨を縦に結ぶ強靱な膜。骨間動脈の通路を作り、筋区画を分け、回旋ストレスを制御
- 04 前脛腓靱帯(Anterior tibiofibular ligament)
- 遠位脛腓関節の前面を補強。外果捻挫でしばしば損傷し、いわゆる"ハイアンクルスプリン"の原因となる部位
- 05 外果(Malleolus lateralis)
- 腓骨遠位端の突起。外側側副靱帯群の付着・滑車機能を担う
- 06 脛骨粗面(Tuberositas tibiae)
- 膝蓋靱帯付着部。下腿前面近位の骨性隆起でランドマーク
- 07 脛骨(Tibia)
- 下腿内側の荷重骨。遠位で内果を形成し、腓骨と骨間膜で連結
- 08 内果(Malleolus medialis)
- 脛骨遠位端の突起。内側側副靱帯群の起始で、距骨内側面と関節を構成
全体の関係性と機能
- 近位(01)と遠位(04)、そして骨間膜(03)が三位一体で脛腓連結の安定性を保ち、脛骨の荷重伝達を腓骨に適切に分散。
- 外果(05)と内果(08)は距腿関節の"フォーク"を作り、距骨を三方向から拘束して背屈・底屈をガイドします
臨床的要点
- ハイアンクル捻挫: 04(前脛腓靱帯)や遠位脛腓靱帯群の損傷。外旋・背屈ストレスで起こりやすい。
- 骨間膜の障害: 03の連続損傷は"メゾネーヴ骨折"など脛腓連鎖損傷の指標となる。