0528 (右足の腱鞘)

J0528 (右足の腱鞘)
(腓骨側から赤い物質で注射されています)
この図は「右足の腱鞘」を腓骨(外くるぶし)側から見たもので、足背から外側にかけての筋・腱とそれを押さえる支帯、腱が通る腱鞘、周囲の骨性ランドマークを示しています
ポイント
- 支帯と腱鞘
- 06 上伸筋支帯:足関節の前面で前脛骨筋や長趾伸筋などの腱を押さえる帯状の靱帯
- 09 下伸筋支帯:Y字状に広がり、足背側の伸筋腱群を保持
- 19 上腓骨筋支帯 と 16 下腓骨筋支帯:外果の後方で長腓骨筋・短腓骨筋腱を骨に密着させ、脱臼を防ぐ
- 10 長趾伸筋腱の腱鞘、18 腓骨筋の総腱鞘:摩擦を減らし腱の滑走性を確保
- 主な筋・腱
- 01 前脛骨筋:足関節背屈と内がえし
- 03 長趾伸筋 と 12 その腱:第2〜5趾の伸展
- 11 第三腓骨筋:足関節背屈と外がえしの補助
- 05 長腓骨筋 と 04 短腓骨筋:外がえしの主動作。両者の腱は外果後方を回って足外側を走行
- 08 踵骨腱(アキレス腱):下腿三頭筋の強大な腱で底屈の主力
- 骨・ランドマーク
- 02 脛骨 と 07 腓骨(外果)
- 20 踵骨 と 15 第5中足骨粗面:短腓骨筋腱の停止部で、腱付着部炎や骨折の好発部位
- 17 外果皮下包、21 アキレス腱の滑液包:繰り返しの摩擦で滑液包炎を起こすことがある
臨床的意義
- 外果後方の腱スナッピングや腱鞘炎は、19・16 の腓骨筋支帯の機能不全や18 の腱鞘の炎症と関連
- ランナーやバレエで多い前方インピンジメントは 06・09 と伸筋腱群周囲の肥厚が一因
- 15 の裂離骨折(第5中足骨基部骨折)は短腓骨筋の牽引で生じやすい
- 21 のレトロカカネアル滑液包炎はアキレス腱付着部痛の原因
図の見方のコツ
- 支帯は「腱を押さえる帯」、腱鞘は「腱のトンネル」。赤く強調された筋腹や腱がそれぞれどの支帯・腱鞘の下を通るかを追うと、運動時の滑走経路が理解しやすいです
アノテーション
01
A04_0502(前脛骨筋)Tibialis anterior muscle →Musculus tibialis anterior【前脛骨筋】Tibialis anterior muscle (A04_7_02_037)