0347 (右足の関節:内側からの図)

J0347 (右足の関節:内側からの図)
(この標本は図J0346 (右足の関節:側面からの図)のように中足骨は取り除かれ、関節包も靱帯を除いて取り除かれています。)
図の趣旨
右足関節を内側(内果側)から見た図で、関節包のうち靱帯を除く部分は取り去られ、骨と主要靱帯の走行が露出しています。
主要構造の見どころ
- 骨
- 01 脛骨:内果から三角靱帯が起こる母体。
- 03 距骨:距骨頸・体の内側面と、18 長母趾屈筋腱溝が見える。
- 19 踵骨:上内側の12 載距突起が張り出し、距骨頭を下から支える。
- 08 舟状骨、07 内側楔状骨:前足部内側縦アーチの要。
- 三角靱帯(内側靱帯)の構成
- 02 前脛距部(前脛距靱帯):脛骨内果から距骨頸へ。前外旋や外反に抵抗。
- 16 脛踵部:脛骨から踵骨(主に載距突起付近)へ。距骨の外反を強く抑制。
- 15 後脛距部(後脛距靱帯):脛骨から距骨体後部へ。後方転位を抑える。
- 14 内側靱帯(総称):上記束をまとめた総称。内反捻挫に比べて"外反"ストレスに対する主防御。
- 距舟・楔舟連結と足底靱帯
- 05 距舟靱帯(背側):距骨頭と舟状骨背側を結ぶ。薄く補助的。
- 06 背側楔舟靱帯:舟状骨と内側楔状骨背側の短い補強帯。
- 09 底側楔舟靱帯:舟状骨と楔状骨の足底側補強。
- 10 底側踵舟(スプリング)靱帯:踵骨載距突起から舟状骨へ張る"ハンモック"。距骨頭を受け皿状に支持し、内側縦アーチ維持の要。扁平足やPTTDで伸長・機能低下が問題化。
- 11 長足底靱帯:踵骨下面から前方へ広がる強靱帯で、外側列の橋渡しと足底弓保持に寄与。
- 距踵間の靱帯
- 13 内側距踵靱帯:距骨と踵骨の内側連結。距骨の不要な回旋を抑える。
- 17 後距踵靱帯:距骨体後方での連結。後外側区画の安定化。
- そのほか
- 12 載距突起:スプリング靱帯の起始台。後脛骨筋腱・長趾屈筋腱がその上方を走行。
- 18 長母趾屈筋腱溝:距骨下後方の滑走路。FHL腱の腱鞘炎やインピンジの好発部。
機能的まとめ
- 三角靱帯群は距腿関節の内側側副装置として、外反ストレスと距骨の前後・回旋不安定を抑える。
- スプリング靱帯と載距突起は、距骨頭を"受ける皿"と"支柱"の関係で内側縦アーチを保持し、舟状骨の下方偏位を防ぐ。
- 長足底靱帯は外側縦アーチと前足部横方向の張力バランサーとして働く。
アノテーション
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A03_0346(足の関節)Joints of foot→Articulationes pedis【足の関節;足関節】Joints of foot (A03_6_10_001)