0171 (右上腕骨と顆上突起(破格):前方からの図)

J0171 (右上腕骨と顆上突起(破格):前方からの図)
図の説明(要点)
- 対象は右上腕骨の遠位端(肘に近い部分)を前方から見た図です。上腕骨は腕の長管骨で、下端には肘関節をつくる滑車や小頭、内外側上顆などがあります。
- 01 顆上突起(上顆上突起)
- 上腕骨の内側前面、内側上顆の少し近位(上方)から斜め下内側に向かって伸びる小さな棘状の突起。通常は存在しない「破格(解剖学的変異)」です。
- 出現すると線維性のストルーサース靱帯(Struthers ligament)と弓状構造をつくり、その下を正中神経や上腕動脈が通ることがあります。まれにこれらを圧迫してしびれや血流障害の原因になることがあります。
- 02 滑車上孔
- 上腕骨遠位端の前後のくぼみ(鈎状突起窩と肘頭窩)を貫いて形成される孔で、これも人ではしばしば見られる「破格」です。
- 孔があると骨梁配列が変わるため、X線で透亮像として見えることがあります。臨床では骨折や嚢胞と誤認しないことが大切です。
補足
- いずれも「正常範囲の変異」で、機能的問題は通常ありません。ただし顆上突起は稀に神経・血管の圧迫症状と関連します。
- 発生頻度は地域や集団で差があり、滑車上孔は数%前後、顆上突起はさらに稀とされます。
出典(このページ群)
- 上腕骨の基本項目。
- 図とラベル(顆上突起・滑車上孔)の示す破格。
- 顆上突起の用語項目。
アノテーション
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A02_0690(上腕骨)Humerus →Humerus【上腕骨】Humerus (A02_4_04_001)