内側楔状骨 Os cuneiforme mediale
解剖学的特徴
位置と配置
内側楔状骨は足根骨の一つで、足の内側縦アーチの要となる骨です (Gray et al., 2020; Sarrafian, 2011)。近位では舟状骨と、遠位では第1中足骨と関節を形成し、外側では中間楔状骨および第2中足骨基部と接しています。足根中足関節(Lisfranc関節)の内側部分を構成する重要な骨です (Hardcastle et al., 1982)。
形態
- 楔形(くさび形)の形状を呈し、その底面(plantar surface)が足底側に、尖端が足背側に向いています (Gray et al., 2020)
- 3つの楔状骨(内側・中間・外側)の中で最も大きく、最も強固な構造を持ちます (Sarrafian, 2011)
- 長さは約3-4cm、高さは約2.5cmで、厚みがあり頑丈な骨です (Moore et al., 2018)
関節面
- 近位面:舟状骨の外側部と関節を形成(楔舟関節)(Gray et al., 2020)
- 遠位面:第1中足骨基部と関節を形成(第1足根中足関節)(Sarrafian, 2011)
- 外側面:中間楔状骨および第2中足骨基部と接する (Moore et al., 2018)
- 足底面および足背面:靭帯および腱の付着部位 (Gray et al., 2020)
筋・腱の付着
- 前脛骨筋腱:内側面および足底面に付着し、足の背屈と内反に作用 (Sarrafian, 2011)
- 後脛骨筋腱:足底面に付着し、足のアーチ保持と内反に重要 (Moore et al., 2018)
- 長腓骨筋腱:足底面を横断し第1中足骨基部に付着、足底屈と外反に作用 (Sarrafian, 2011)
機能と生体力学
アーチの維持
内側楔状骨は内側縦アーチの頂点部分に位置し、体重負荷時のアーチの維持に極めて重要な役割を果たします (Sarrafian, 2011)。楔形の形状により、荷重時に骨が相互に嵌合し、アーチの安定性を高めています (Moore et al., 2018)。