立方骨 Os cuboideum
解剖学的特徴
位置と分類
立方骨は足根骨の遠位列に属し、足の外側縁に位置する短骨です(Standring, 2020)。足根骨7個のうち、踵骨の遠位、外側楔状骨の外側、第4・5中足骨の近位に位置し、足の外側縦アーチの要石として機能します(Sarrafian, 2011)。
形態学的特徴
- 全体形状:ほぼ立方形を呈しますが、実際には6面体で各面が不規則です(Moore et al., 2017)。
- 内側縁が外側縁よりも長く、背側面は背外側方向を向いています。
- 寸法:前後径約15-20mm、内外側径約20-25mm、高さ約15-18mmです(Sarrafian, 2011)。
6つの面の詳細
- 背側面(上面):
- 粗面で、足背側の靱帯や関節包が付着します。
- 短腓骨筋腱が通過する溝が存在することがあります。
- 底側面(下面):
- 長腓骨筋腱溝(sulcus tendinis musculi fibularis longi):斜めに走る深い溝で、長腓骨筋腱が通過します(Standring, 2020)。
- 立方骨粗面(tuberositas ossis cuboidei):腱溝の後外側にある隆起で、長足底靱帯が付着します。
- 種子骨が長腓骨筋腱溝内に存在することがあります(約30%)(Sarrafian, 2011)。
- 近位面(後面):
- 踵骨との踵立方関節面(facies articularis calcanea)を形成します。
- 鞍状の関節面で、わずかに凹面を呈します(Moore et al., 2017)。
- 遠位面(前面):
- 第4・5中足骨との関節面に分かれています。
- 第4中足骨関節面は内側で三角形、第5中足骨関節面は外側で四角形です。
- 内側面:
- 外側楔状骨との関節面(facies articularis cuneiformis):前上部に位置する長方形の関節面です。
- 舟状骨との関節面:後上部に小さな関節面が存在することがあります(約50%)(Sarrafian, 2011)。
- 外側面:
関節構成
- 踵立方関節(articulatio calcaneocuboidea):ショパール関節の外側部分を構成します(Neumann, 2016)。
- 立方楔状関節(articulatio cuneocuboidea):外側楔状骨との関節です。
- 立方舟状関節:存在する場合、舟状骨との間に形成されます。
- 立方中足関節(articulationes tarsometatarsales):第4・5中足骨との間のリスフラン関節の外側部分を構成します(Standring, 2020)。