長指屈筋 Musculus flexor digitorum longus

J0250 (右の脛骨と腓骨、筋の起こる所および着く所:後方からの図)

J0275 (右足の骨:足筋の起こる所と着く所を示す足底側の図)

J0512 (右の下腿の筋:後方からの図)

J0513 (右下腿の筋(第二層):後方からの図)

J0514 (右下腿の筋(第3層):後方から図)

J0515 (右下肢の筋(第4層):後方からの図)

J0518 (右足底の筋(第2層))

J0519 (右足の足底の筋(第3層))

J0524 (右足の筋:脛側からの図)

J0525 (右足の腱鞘は、脛骨側から赤い物質で注入された図)

J0601 (右下腿の動脈:背側からの図)

J0966 (右下腿の筋神経:後方からの図)

J0967 (右足底の皮神経、下方からの図)

J0968 (右足底の深部神経、下方からの図)
長指屈筋(長趾屈筋)は、下腿後面深層に位置する重要な筋肉で、足趾の屈曲運動と足部の縦アーチ維持に不可欠な役割を果たします。この筋肉は足部疾患の病態理解と治療において極めて重要な解剖学的構造です。
解剖学的特徴
起始
長指屈筋は以下の部位から起始します:
- 脛骨後面の中央1/3部分(ヒラメ筋線より遠位)
- ヒラメ筋腱弓の一部
- 後脛骨筋を覆う深筋膜の内側部分
起始部は下腿後面深層の広範囲に及び、脛骨に沿って線状に付着しています。
停止
長指屈筋腱は第2〜5指(示趾から小趾)の末節骨底部の足底面(掌側面)に停止します。各腱は対応する趾の末節骨に強固に付着し、遠位趾節間関節(DIP関節)の屈曲運動を直接的に制御します。
走行および解剖学的関係
長指屈筋の走行は複雑で、以下の特徴的な解剖学的関係を示します:
- 下腿部での走行:長母指屈筋の内側(脛側)を平行に下行し、紡錘形の筋腹を形成します。筋腹は下腿中央から遠位1/3にかけて最も発達しています。
- 腱の交差:下腿遠位部において、長指屈筋腱は後脛骨筋の停止腱の後方(浅層)を斜めに交差します。この解剖学的配置は内果後方における3つの主要な屈筋腱の層構造を形成する重要な要素です。
- 内果後方の通過:腱は内果の後下方を通過し、屈筋支帯(flexor retinaculum)の深層にある固有の腱鞘(synovial sheath)内を通過して足底に進入します。この腱鞘は腱の滑動を円滑にし、摩擦を軽減する重要な構造です。
- 足底での交差(足部のキアズマ):足底において、長指屈筋腱は長母指屈筋腱の下方(浅層)を交差します。この交差構造は「足部のキアズマ(chiasma plantare)」と呼ばれ、手における浅指屈筋と深指屈筋の関係に類似した解剖学的特徴です。交差後、長指屈筋腱は4本の腱に分岐します。
- 短指屈筋腱との関係:各腱は短指屈筋(flexor digitorum brevis)の腱を貫通します。この配置により、長指屈筋は「深指屈筋」として機能し、末節骨への停止を可能にします。腱の分岐部は虫様筋(lumbricals)の起始部となり、足趾の精密な運動制御に寄与します。
神経支配