0512 (右の下腿の筋:後方からの図)

J0512 (右の下腿の筋:後方からの図)
この図は「右下腿(ふくらはぎ)の後面」を表した解剖図で、表層から深層にかけての主要筋・腱・骨指標・滑液包を番号で示しています。
要点
- 最表層のボリュームを作るのは腓腹筋(04)とヒラメ筋(05)。この2筋は合流して踵骨腱=アキレス腱(09)となり、踵骨隆起(10)に付着します。歩行や跳躍での底屈力の主力。
- 外側(腓側)コンパートメントには長腓骨筋(15)と短腓骨筋(16)。外果(腓骨のくるぶし,08)の後ろを走り、上腓骨筋支帯(18)で押さえられます。足の外返しと外側アーチ保持に関与。
- 深後側コンパートメントの代表が長趾屈筋(07)。内果(脛骨のくるぶし,17)の後ろを通って足底へ向かい、趾の屈曲を担います。
- 膝窩部では、脛骨後面の膝窩面(11)が見え、近くに大腿二頭筋(12)腱とそれに関連する滑液包(13:大腿二頭筋腓腹筋包)が描かれています。摩擦軽減のためのクッション。
- 皮膚(06)は表層の被覆。踵骨皮下包(19)は踵後面の皮下にある滑液包で、踵の圧痛や靴擦れに関与。
- 01は大内転筋腱の遠位端の見える部位、02は半膜様筋、03はその外側滑液包、14は細長い足底筋で、しばしば欠如します。
臨床的ポイント
- アキレス腱(09)付着部炎や断裂は底屈力の低下と歩行障害を生む。トンプソンテストで評価。
- 腓骨筋腱(15・16)は外果後方で腱鞘炎や脱臼を起こすことがある。上腓骨筋支帯(18)の損傷に注意。
- 長趾屈筋(07)は足底のオーバーユース障害や足趾屈曲筋力低下に関連。
- 踵骨皮下包(19)の炎症は硬い靴や反復圧で悪化(いわゆるポンピエ病)。
番号と名称の対応(主要部)
- 04 腓腹筋
- 05 ヒラメ筋
- 09 踵骨腱(アキレス腱)