0515 (右下肢の筋(第4層):後方からの図)

J0515 (右下肢の筋(第4層):後方からの図)
(保存されているのは後脛骨筋と短腓骨筋だけです。)
図の概要
- 右下腿を後方から見た図(Spalteholz J0515)。第4層相当の深層を中心に、後部深層屈筋群と腓骨筋群の走行が示されています。主に描出されている筋は「後脛骨筋」と「短腓骨筋」です。
層構造と区画
- 後方深層(深層屈筋群)
- 膝窩筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋
- 脛骨後面や腓骨後面、後下腿筋間中隔から起こり、内果後方を通って足底へ走行
- 外側区画(腓骨筋群)
- 長腓骨筋、短腓骨筋
- 腓骨外側から起こり、外果後方で腱が屈曲し、上腓骨筋支帯の下を通過
主要ランドマーク
- 膝窩周囲:膝窩筋とその腱・滑液包、内外側側副靱帯、腓骨頭、(大腿骨の)膝窩面
- 骨指標:脛骨後面、腓骨後面、内果・外果、踵骨隆起
- 支帯・中隔:屈筋支帯、上腓骨筋支帯、後下腿筋間中隔
筋の機能と臨床ポイント
- 膝窩筋:膝関節屈曲初期に関節を"解錠"し、脛骨の内旋を助ける。後外側角の疼痛の鑑別で重要。
- 後脛骨筋:足関節底屈と内反、足底内側縦アーチ支持の要。機能不全は後脛骨筋腱機能不全症候群(成人期扁平足)の原因。
- 長趾屈筋・長母趾屈筋:足趾の屈曲と底屈。内果後方で屈筋支帯下を通るため、タネル症候群(脛骨神経絞扼)との位置関係が重要。
- 長腓骨筋・短腓骨筋:足関節底屈と外反、横アーチ維持(特に長腓骨筋)。上腓骨筋支帯の断裂では腱の亜脱臼が起こりうる。
図中番号の主な対応(抜粋)