上腕三頭筋 Musculus triceps brachii
上腕三頭筋は上肢の伸筋群の中で最も大きく重要な筋で、上腕部の後面全体を占めます。以下に解剖学的構造と臨床的意義について詳述します(Gray and Carter, 2021)。

J0163 (右肩甲骨、筋の起こる所と着く所:背面からの図)

J0164 (右肩甲骨、筋の起こる所と着く所:前面からの図)

J0176 (右上腕骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

J0184 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手の裏側からの図)

J0429 (右の胸筋(第2層)、正面からの図)

J0448 (広い背筋:背面図)

J0449 (広い背中の筋(第2層):背面図)

J0461 (右上腕の筋:橈側からの図)

J0462 (右脇の下の筋:尾側図)

J0465 (右肩関節の腹側の筋:掌側図)

J0466 (右上腕の筋:掌側図)

J0468 (右上腕の筋:背面図)

J0469 (右上腕の筋:背面図)

J0470 (右上腕の筋(深層):背面図)

J0471 (右前腕の筋:前面からの図)

J0472 (右前腕の筋:手掌側からの図)

J0474 (右前腕の筋(第3層):掌側図)

J0476 (右前腕の筋:橈側からの筋)

J0477 (右前腕の筋:背面図)

J0478 (右前腕の筋:背面図)

J0479 (右前腕の筋(深層):背面図)

J0575 (右肩甲骨の動脈:背面図)

J0576 (右上腕の動脈、手掌側からの図)

J0577 (右上腕の動脈、背面からの図)

J0578 (右前腕第1層の動脈、手掌側図)

J0579 (右前腕第2層の動脈:手掌側図)

J0934 (右の腕神経叢(鎖骨下部)が下から前に向かっている図)

J0937 (右上腕の皮神経、外側後方からの図)

J0939 (右上腕の神経幹:内側からの図)

J0940 (右上腕の筋神経:前方からの筋)

J0948 (右前腕の筋肉の神経、後外側からの図)
解剖学的構造
位置と形態
上腕三頭筋は上腕部後面全体を覆う大型の三角形状の筋で、上腕の筋肉量の約2/3を占めます(Moore et al., 2022; Netter, 2023)。その名の通り、3つの筋頭(長頭、外側頭、内側頭)から構成され、これらが共通の腱を形成して尺骨肘頭に停止します。
3つの筋頭の詳細
1. 長頭(Caput longum)
- 起始:肩甲骨の関節下結節(infraglenoid tubercle)から起始します。この起始部は上腕二頭筋長頭の腱溝と近接しており、肩関節窩の直下に位置します(Gray and Carter, 2021)
- 特徴:唯一の二関節筋で、肩関節と肘関節の両方を跨ぎます。3つの筋頭の中で最も長く、上腕後面の内側を縦走します
- 機能:肘関節伸展に加え、肩関節の伸展と内転にも関与します。特に肩関節の安定化に重要な役割を果たします(Madsen et al., 2024)
2. 外側頭(Caput laterale)
- 起始:上腕骨後面の外側上顆上稜より上方、橈骨神経溝(spiral groove)より近位部から起始します
- 特徴:上腕外側部を走行し、3つの筋頭の中で最も表層に位置するため、触診が容易です
- 機能:中等度の抵抗に対する肘伸展時に主に活動します
3. 内側頭(Caput mediale)
- 起始:上腕骨後面の広範囲にわたり起始します。具体的には、上腕骨粗線(linea aspera)から内側および外側上顆上稜まで、橈骨神経溝より遠位の上腕骨後面のほぼ全域を覆います
- 特徴:3つの筋頭の中で最大の筋量を持ち、他の2つの筋頭の深層に位置します。最も深部にあるため、触診は困難です
- 機能:日常的な軽い肘伸展動作時に主に働き、持続的な緊張(postural tone)を保ちます(中村・斎藤, 2021)
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