回腸は、腸間膜小腸の肛門側の5分の3を占め、空腸との境界は明確ではありません。直径約2.5cmの可動性の管で、回盲弁を介して大腸の始まりの部分出る盲腸に続きます。回盲弁は、回腸から盲腸への内容物の流れを調節しています。空腸に比べてやや白色味を帯びます。回盲部から約60cmの口腔側に、高さ約5cmの円錐状ないし円筒状の突出物が2%の頻度で見られます。これは、胎生期における卵黄管の遺残物であるメッケル回腸憩室と呼ばれます。腸絨毛は、空腸に比べて少なく2500個/cm2で四角形をしており、回腸の吸収上皮の表面積は5.3m2です。回腸には20~30個の集合リンパ小節があり、これをパイエル板といい、その表面には絨毛がありません。