距骨 Talus
距骨は足根骨の中で最も重要な骨の一つであり、下腿と足部を連結する要となる骨です(Standring, 2020)。体重を脛骨から足部へ伝達する役割を担い、足関節の運動において中心的な機能を果たします(Netter, 2018)。

J0251 (右距骨:下方からの図)

J0252 (右距骨:上方からの図)

J0270 (右足の骨、側面からの図)

J0271 (右足の骨:内側からの図)

J0272 (右足の骨、足の背面からの図)

J0273 (右足の骨:足底からの図)

J0282 (新生児の右足の骨:足の上部からの図)

J0347 (右足の関節:内側からの図)

J0351 (右足の関節:足底側からの図)

J0387 (右足:足底屈曲、背足底方向からのX線像)

J0389 (右足:わずかに下向き、横向きの位置、内外側方向からのX線像)
解剖学的構造
全体構造
- 距骨は頭部(Caput tali)、頚部(Collum tali)、体部(Corpus tali)の3つの主要部分から構成されます(Moore et al., 2017)
- 距骨の約60%の表面が関節軟骨で覆われており、筋付着部や血管侵入部が極めて少ないという特徴があります(Saltzman & Amendola, 1999)
- この解剖学的特徴により、血流が乏しく、骨折後の無腐性壊死のリスクが高くなります(Thordarson, 2004)
距骨体部(Corpus tali)
- 距骨滑車(Trochlea tali):
- 上面に位置する鞍状の関節面で、脛骨下関節面と距腿関節を形成します(Standring, 2020)
- 前方が後方より幅広く、背屈時により安定した関節適合性を示します(Sarrafian, 1993)
- 滑車の上面、内側面、外側面は連続した関節面を形成します(Moore et al., 2017)
- 内果関節面(Facies malleolaris medialis):内側面に位置し、脛骨内果と関節を形成します(Netter, 2018)
- 外果関節面(Facies malleolaris lateralis):外側面に位置し、腓骨外果と関節を形成します(Netter, 2018)
- 後突起(Processus posterior):
- 体部の後方に突出し、内側結節と外側結節に分かれます(Standring, 2020)
- 長母趾屈筋腱の溝(距骨溝)が両結節の間を通ります(Moore et al., 2017)
- 外側結節が骨折すると、Shepherd骨折として知られる病態となります(Shepherd, 1882)
距骨頚部(Collum tali)
- 体部と頭部を連結する細くくびれた部分です(Standring, 2020)
- 距骨骨折の好発部位であり、高エネルギー外傷(交通事故、高所からの転落)で損傷されやすい部位です(Thordarson, 2004)
- 頚部骨折はHawkins分類により臨床的に分類され、無腐性壊死のリスク評価に用いられます(Hawkins, 1970)
距骨頭部(Caput tali)
- 前方に位置する丸みを帯びた部分で、舟状骨と距舟関節を形成します(Moore et al., 2017)
- 舟状骨関節面(Facies articularis navicularis):前方の凸面で舟状骨と関節します(Standring, 2020)