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A14_1669(舌下神経[脳神経XII])Hypoglossal nerve [XII]△
基本的特徴
解剖学的経路
機能と分布
図524(交感神経幹上部・舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経)
図527(右側の迷走神経と交感神経の頚部、胸腔、および腹腔上部における分枝)
舌下神経は舌下神経核から起こり、10〜15本の根糸をもって延髄の前外側溝で表面に出る。これらの根糸は集まって、通常2本のかなり大きな束をなす。この2束は別々に、あるいは1つに合して硬膜の嚢を出て、1つの硬膜鞘に包まれ、舌下神経管を通り頭蓋の外に達する。
舌下神経管に入る箇所で、舌下神経は後頭静脈洞の静脈と結合している静脈冠Venenkranzに取り囲まれる。これを舌下神経管静脈網Rete canalis n. hypoglossiという。頭蓋底の外では、舌下神経はまず迷走神経の内側かつ後方に位置するが、節状神経節の部位では結合組織によって迷走神経と密着しながら、この神経の外側面に移行する。その後、茎突舌骨筋と顎二腹筋の後腹の内側面に沿って下方に走り、次いで下方に凸の緩やかな弓を描いて前方に進む(舌下神経弓Arcus hypoglossi)。顎舌骨筋に覆われ、舌骨舌筋の外面に接して通過し、舌の内部に放散する。
舌下神経は下行の際、内頚静脈および内頚動脈と次のような関係にある。すなわち、両血管の間を貫くか、あるいは後方から両血管の外側に達する。次いで外頚動脈の外面および顔面静脈の頚部の内面と交差し、両者の間を前方に通り抜ける。
舌下神経の下行部は迷走神経、第1から第3までの頚神経の前枝、および交感神経の上頚神経節と結合する。そのため、舌下神経はもともと運動性であったが、生理的作用の異なる線維を含むようになる。
J0861 (図863-871で示された切断方向を示す、成人の脳幹を後ろから右側からの図)
J0918 (頭蓋骨内の舌咽神経、迷走神経、副神経の経過:後方からの図)