舌下神経 Nervus hypoglossus [XII]

脳底の動脈(大脳動脈輪を中心に)
脳の断面(模式図を含む)

eに対応する迷走神経の高さ(延髄)の断面の模式図

J0557 (頚部浅層の動脈:右前方からの図)

J0834 (脳の底部:下方からの図)

J0835 (脳幹:右方からの図)

J0840 (後脳および延髄:左外側からの図)

J0843 (脳:下前方からの図)


J0865 (オリーブ中央を通る脳幹の断面)

J0902 (硬脳膜:上方からの図)

J0904 (硬脳膜と頭蓋骨を通る神経)

J0913 (下顎神経の分岐、深層:右方からの図)

J0918 (頭蓋骨内の舌咽神経、迷走神経、副神経の経過:後方からの図)

J0919 (右側の舌神経:右方からの図)

J0920 (右の咽頭の神経:右方からの図)

J0922 (右迷走神経の耳介枝:後方からの図)

J0929 (右側の頚神経叢と腕神経叢:模式図)
1. 基本的特徴と解剖学的位置
- 第12脳神経(XII)であり、純運動性の脳神経として機能する (Standring et al., 2021)。
- 起始核は延髄下部の舌下神経核であり、背側正中近くに位置する。
- 舌下神経核の神経細胞は、舌の骨格筋を支配する下位運動ニューロンであり、その軸索は腹側へ走行する (Drake et al., 2020)。
2. 解剖学的走行経路
- 延髄前オリーブ溝から10~15本の線維束として出現し、舌下神経管を通過して一つの神経幹となる。
- 迷走神経と内頚静脈の後外側から外側へ移行し、茎突舌骨筋と顎二腹筋後腹の内側を弓状に前下方へ走行する (Moore et al., 2022)。
- 頚神経ワナ(C1、C2)からの交通枝を受け、顎舌骨筋の表面を横切って舌へ進入する。
- 走行中、頚静脈孔を通過する他の脳神経(迷走神経X、副神経XI、舌咽神経IX)と近接する。
3. 機能と神経支配
- 舌骨舌筋の外側で舌筋枝へ分枝し、舌筋群へ分布する (Netter, 2023)。
- 舌の随意運動を支配し、発話、咀嚼、嚥下に必要な舌の運動を制御する。
4. 臨床的意義と症状
- 舌下神経麻痺が生じると、支配側の舌に片側性萎縮や運動障害が出現する (Snell, 2019)。
- 舌の突出時に舌尖が患側へ偏位し、嚥下障害、構音障害、咀嚼障害などが生じる。
5. 神経学的検査法
- 舌の随意運動(突出、側方運動、挙上)の評価を行う。
- 舌の萎縮、線維束性収縮、偏位の有無を詳細に観察する。