踵骨腱(アキレス腱)

踵骨腱(下腿三頭筋の腱)は、別名アキレス腱とも呼ばれ、この名称はギリシャの英雄アキレスの唯一の弱点であった踵に由来します。アキレスは、ホーマーの叙事詩『イリアド』の主人公で、ギリシャの英雄です。彼の母、海の女神テーティスは、アキレスが将来トロイとの戦いで戦死するという予言を聞いたため、彼がまだ赤ん坊の時にスティックス河(冥界の川)の聖なる流れに浸して不死身にしました。しかし、彼女がアキレスの足首をつかんでいたために、踵だけが魔法の水に触れず、それが彼の唯一の弱点となりました。大人になったアキレスは、トロイ戦争でギリシャ軍に参加し、多くの武勲を上げました。しかし、トロイのプリンス、パリスが放った矢がアキレスの踵に命中し、彼はその場で倒れました。そして、解剖学者P. Verheyenが1693年に自身の足を解剖していた際に、『イリアド』のこのエピソードを思い出し、踵骨腱をアキレス腱と初めて名付けました。