ヒラメ筋 Musculus soleus

J0250 (右の脛骨と腓骨、筋の起こる所および着く所:後方からの図)

J0508 (右膝の筋:腓側からの図)

J0509 (右下腿の筋:腓側からの図)

J0510 (右下腿の筋、前面からの図)

J0512 (右の下腿の筋:後方からの図)

J0513 (右下腿の筋(第二層):後方からの図)

J0524 (右足の筋:脛側からの図)

J0601 (右下腿の動脈:背側からの図)

J0966 (右下腿の筋神経:後方からの図)
ヒラメ筋は、下腿三頭筋の一部を構成する下腿後部の浅層に位置する強力な筋肉です。その名称はヒラメ魚の平たい形状に似ていることに由来しています (Gray and Williams, 2021)。解剖学的にも臨床的にも極めて重要な筋肉であり、姿勢制御、歩行、静脈還流など多様な機能を担っています。以下にその詳細を説明します:
1. 解剖学的特徴
起始部の解剖
- 腓骨頭および腓骨上部1/3の後面から起始します (Moore et al., 2018)。
- 脛骨と腓骨の間に架かる線維性のヒラメ筋腱弓(腱弓)から起始し、この腱弓の下を後脛骨神経と後脛骨動脈・静脈が通過します (Standring, 2020)。
- 脛骨後面のヒラメ筋線(溝線)および脛骨内側縁中1/3から起始します。
筋の構造
- ヒラメ筋は複合羽状筋の構造を持ち、前方の腱様膜により浅層と深層の二層に分かれています (Edama et al., 2015)。
- 筋線維は多様な角度で腱膜に付着しており、これにより大きな筋力を発揮できます。
- 遅筋線維(Type I線維)が約80-90%を占め、持続的な収縮に適した筋肉組織を形成しています (Lieber and Fridén, 2019)。この特性により、長時間の立位姿勢維持が可能となります。
停止部の解剖
- 筋線維は下方に向かって収束し、腓腹筋の腱と融合してアキレス腱(踵骨腱)を形成します。
- アキレス腱は人体で最も強力な腱であり、踵骨隆起の中間部および下部に停止します (Netter, 2019)。
- アキレス腱の幅は約15cm、厚さは約5-6mmで、約3,900Nの張力に耐えることができます (Järvinen et al., 2005)。
解剖学的位置関係
- 下腿後部の浅層に存在し、表層では主に腓腹筋に覆われています。
- 腓腹筋よりも深層に位置し、脛骨と腓骨の間の後方に広がっています (Standring, 2020)。
- 深層には後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋が位置します。