0508 (右膝の筋:腓側からの図)

J0508 (右膝の筋:腓側からの図)
(大腿筋膜は腸脛靱帯まで取り除かれています。)
右膝の腓側(外側)を後外側寄りから見た図です。大腿筋膜は腸脛靱帯(ITB)まで除去され、浅層〜中層の筋群と靱帯、骨のランドマークが示されています.
概観
- 太腿後面外側の主役は大腿二頭筋。長頭と短頭が合流して腱となり、腓骨頭へ付着します。
- 膝外側では、ITBと外側側副靱帯(LCL)が並走し、安定性を担います。
- 下腿後面近位では腓腹筋外側頭とヒラメ筋がアキレス腱へ移行します。
番号付きのポイント
- 大腿二頭筋(Biceps femoris)膝屈曲と下腿外旋に関与。後外側支持の中心筋。長頭と短頭が合流して腱へ.
- 大腿二頭筋 長頭坐骨結節起始。脛骨・腓骨への荷重で膝屈曲時の外側安定化に寄与.
- 大腿二頭筋 短頭大腿骨粗線外側唇起始。長頭と合して外側ハムストリングを形成.
- 半膜様筋内側群だが腱の走行の一部が見える。膝屈曲・内旋、内側支持に寄与(鵞足群の深層).
- 大腿二頭筋腱腓骨頭へ付着。ここで腓骨神経(総腓骨神経)が後外側を回り込むため、圧迫・牽引障害の好発部位.
- 腓腹筋(外側頭)大腿骨外側顆上方から起こり、膝屈曲と足底屈。膝後外側痛の鑑別(腱付着部炎など).
- ヒラメ筋腓骨近位部と脛骨ヒラメ筋線から起こり、足底屈の持久性を担う。近位で弓状線下に脛骨神経・後脛骨動静脈が通過.
- 腸脛靱帯(ITB)大腿外側を走る厚い線維帯。膝外側広筋前面を覆い、脛骨外側顆(Gerdy結節)へ。腸脛靱帯炎(ランナー膝)の責任組織.
- 外側広筋大腿四頭筋の外側成分。膝伸展の主動作筋で、膝蓋骨外側偏位の力学に関与.
- 膝蓋骨四頭筋腱と膝蓋靱帯の介在骨。膝伸展のモーメントアームを増強.