恥骨筋

日本人のからだ(堀口正治 2000)によると

恥骨筋は、恥骨結節間の恥骨上肢から発生し、大腿骨の恥骨筋線に至る筋です。この筋肉は元々、腸腰筋群と同じ原基から発生します。しかし、個体による差異から、内転筋群がこの筋肉の形成にどの程度関与するかは異なります。恥骨筋は、腸骨筋膜の延長である恥骨筋膜に覆われ、腸腰筋と共に、腸恥窩を通る大腿動静脈に影響を与えます。

恥骨筋は、大腿の内転筋群の中で、大腿神経によって支配される唯一の筋です。この筋肉は、起始(恥骨)側を底辺、停止(大腿骨)側を頂点とする三角形を形成しています。

恥骨体から恥骨上枝にかけての部分では、恥骨櫛から閉鎖稜の間の面から起始し、筋束が集束しながら外側下方に進み、大腿骨の小転子から下方に伸びる恥骨筋線に至ります。

Sugihara (1956)によれば、恥骨筋は分離の程度が様々であるが、2層(浅層と深層)に分けられます。浅層は、しばしば長内転筋と単なる癒着から筋束の交換、完全な癒合に至るさまざまな関係を持つほか、よりまれには短内転筋や内側広筋とも癒着し、筋束の交換を行うことがあります。

大腿神経によって支配されています。Sugihara (1956)によれば、閉鎖神経は2.6%で枝を浅層に与え、副閉鎖神経(恥骨上枝を超えるため、副大腿神経と呼ぶ方が適切という考えもある)は7.6%に出現し、2.6%で深層に枝を与えます。