大腿方形筋 Musculus quadratus femoris

J0215 (右の寛骨:筋の起こる所と着く所を示す外側からの図)

J0216 (右の寛骨:筋の起こる所と着く所を示す前外側少し下方からの図)

J0237 (右大腿骨、近位端、筋の起こる所と着く所:後内側からの図)

J0240 (右大腿骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

J0498 (右大腿の筋:腹側図)

J0504 (右側の臀部の筋(第2層):背面図)

J0505 (右大腿の筋:背面図)

J0506 (右大腿の筋:背面図)

J0592 (右側の閉鎖動脈の末端分枝(男性の骨盤):腹側からの図)

J0600 (右大腿の動脈、背面図)

J0629 (右大腿の深部静脈:背面図)

J0957 (右大腿の筋神経:正面からの図)

J0958 (右大腿の神経:前面からの図)

J0962 (右の臀部の深部神経:後方からの図)

J0963 (右大腿の神経:後方からの図)
大腿方形筋は股関節の深層に位置する短外旋筋群の一つであり、股関節の安定性と外旋運動において重要な役割を果たしています。以下に解剖学的特徴と臨床的意義を詳述します。
解剖学的特徴
起始と停止
- 起始(Origin):坐骨結節(ischial tuberosity)の外側縁から起始します(Netter, 2018)。坐骨結節は坐骨の後下部に位置する粗面状の隆起で、座位時に体重を支える主要な骨性構造です。この部位からは大腿方形筋のほか、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭などのハムストリング筋群も起始します。
- 停止(Insertion):大腿骨の転子間稜(intertrochanteric crest)の後面、より具体的には大腿骨方形筋結節(quadrate tubercle)に停止します(Moore et al., 2013)。転子間稜は大転子と小転子を結ぶ隆起した稜線で、大腿骨近位部の後面を横走します。この停止位置は、大腿骨の外旋運動において効率的な力学的優位性(mechanical advantage)を提供します。
筋の形態と構造
- 形態:その名称が示すように方形(quadratus = 四角形)の扁平な筋肉で、横方向に走行する筋線維を特徴とします。筋の厚さは約1cm、幅は約4-5cm、長さは約3-4cmです(Agur and Dalley, 2016)。
- 筋線維の配列:筋線維はほぼ水平に走行し、起始部から停止部まで比較的直線的な経路をたどります。この配列は外旋作用において効率的な力の伝達を可能にします。
- 筋膜との関係:大腿方形筋は薄い筋膜に覆われており、深層では股関節包と接しています。
位置関係と周囲構造
- 上方:下双子筋(inferior gemellus muscle)および内閉鎖筋腱(tendon of obturator internus)と隣接します。
- 下方:大内転筋(adductor magnus muscle)の上縁と接します。
- 前方(深層):閉鎖外筋(obturator externus muscle)と股関節包に接します。
- 後方(浅層):大殿筋(gluteus maximus muscle)に覆われています。
- 内側:坐骨神経(sciatic nerve)が大腿方形筋の前面または後面を下行します(Clemente, 2010)。
作用(Action)
- 主作用:外旋:大腿骨の外旋(lateral rotation)が主要な機能です。股関節が伸展位にあるときに最も効率的に働きます(Kapandji, 2011)。
- 副次的作用:内転:補助的に大腿の内転(adduction)にも関与しますが、この作用は他の内転筋群に比べて弱いです。