



J0314 (右の肘関節:手の回外位に伸ばされ、前方からの図)



J0367 (右肘関節:伸展、手の回内、手根背側方向からのX線像)

J0369 (右の肘関節:手の回内時に伸ばされた橈尺方向からのX線像)

J0371 (右肘関節、直角に曲がって、手の回外時、橈尺方向からのX線像)










解剖学的構造と特徴
外側上顆は上腕骨遠位端の外側面に位置する顕著な骨性隆起であり、肘関節の重要な解剖学的ランドマークである (Standring, 2015)。上腕骨小頭の外側に突出し、肘関節における外側の支点として機能する (Moore et al., 2018)。
筋付着部としての機能
外側上顆は前腕伸筋群の共通起始部として極めて重要な役割を果たす。以下の筋が外側上顆から起始する (Drake et al., 2019; Netter, 2018):
これらの筋群は手関節および指の伸展運動、前腕の回外運動において中心的な役割を果たしている (Moore et al., 2018)。
靭帯付着部
外側上顆には橈側側副靭帯(radial collateral ligament)が付着し、肘関節の外側安定性に寄与している (Standring, 2015)。この靭帯は外反ストレスに対する抵抗において重要な役割を果たす。
神経解剖学的関係
外側上顆は橈骨神経の深枝である後骨間神経(posterior interosseous nerve)の走行経路を示す重要な解剖学的指標である (Tubbs et al., 2016)。後骨間神経は回外筋のアーケード(Arcade of Frohse)を通過し、前腕伸筋群を支配する。この解剖学的関係は、外側上顆周囲の手術や神経絞扼症候群の診断において臨床的に重要である。
臨床的意義
1. 外側上顆炎(テニス肘)
外側上顆炎は、外側上顆における最も一般的な疾患であり、過度の反復使用により伸筋腱の付着部、特に短橈側手根伸筋腱に炎症、変性、微小断裂が生じる病態である (Vaquero-Picado et al., 2016)。