仙骨 Os sacrum [Vertebrae sacrales I-V]
仙骨は五つの仙椎が癒合して形成され、脊柱と骨盤を連結し、荷重伝達や神経学的関係に重要な役割を果たします。仙骨骨折や仙腸関節痛、尾側硬膜外麻酔に関する臨床的なポイントも含まれ、解剖学的構造や機能的意義が詳述されています。

J0130 (仙骨:前面および下方からの図)

J0131 (仙骨:後上方からの図)

J0132 (仙骨:上方からの図)

J0133 (仙骨の二対の仙骨孔を通るレベルでの断面図)

J0134 (仙骨と尾骨:右側からの図)

J0153 (新生児の環椎:上方からの図)
J0154 (新生児の軸椎:前方からの図)
J0155 (新生児の中部胸椎:上方からの図)
J0156 (新生児の第1仙椎:上方からの図)

J0158 (8ヶ月胎児の仙骨と尾骨:前方からの図)

J0294 (仙骨と尾骨の間の靱帯:後ろからの図)

J0327 (右側の仙腸関節:前頭断、前面からの後半部分の図)

J0459 (短い背筋(第3層):背面図)

J0492 (右側の骨盤の筋:内側からの図)

J0801 (男性の肛門挙筋:上面からの図)

J0802 (男性の肛門挙筋:左側からの図)

J0803 (男性の右側肛門挙筋と尿生殖三角:後上方からの図)

J0827 (脊椎管内の被鞘と下部脊髄端、背面からの図)
解剖学的構造(概説)
仙骨(os sacrum)は、通常5個の仙椎(S1–S5)が癒合してできる楔状の骨で、脊柱と骨盤帯を連結し、骨盤後壁の中心要素となります(Standring, 2021)。
- 上端(仙骨底): S1椎体上面は仙骨岬角として前方に突出し、L5/S1椎間板とともに骨盤入口の後縁を形成します(Standring, 2021)。
- 下端(仙骨尖): 尾骨と連結し、仙骨管はここで狭小化します(Moore et al., 2023)。
- 前面(骨盤面): 凹面で、癒合した椎体の境界が**横線(lineae transversae)**として見えます(Standring, 2021)。
- 後面(背面): 凸面で、棘突起由来の正中仙骨稜、関節突起由来の中間仙骨稜、横突起由来の外側仙骨稜が並びます(Standring, 2021)。
- 仙骨管と裂孔: 椎弓の不完全癒合により下部に仙骨裂孔を生じ、臨床的には硬膜外麻酔の穿刺部位になり得ます(Moore et al., 2023)。
- 前仙骨孔・後仙骨孔: 片側4個ずつ(計8個)で、前仙骨孔からは主に仙髄神経の前枝(腹側枝)が、後仙骨孔からは後枝(背側枝)が出ます(Standring, 2021)。
- 外側部と関節面: 外側には腸骨と連結する耳状面があり、強固な仙腸関節と仙腸靭帯群により体幹荷重を下肢へ伝達します(Standring, 2021)。
周囲構造・機能的意義
- 荷重伝達: 仙骨は脊柱荷重を仙腸関節を介して左右の寛骨へ分配し、姿勢保持と歩行の力学に重要です(Standring, 2021)。
- 神経学的関係: 仙骨管内には馬尾・終糸の末梢側が位置し、仙骨裂孔周辺はS4–S5領域を中心に感覚・運動症状の評価対象となります(Moore et al., 2023)。
臨床的内容(ポイント)
- 仙骨骨折: 高エネルギー外傷や骨粗鬆症で生じ、後骨盤輪損傷として不安定性や神経障害(仙骨神経根障害)を合併し得ます(Moore et al., 2023)。
- 仙腸関節痛: 仙腸関節は腰殿部痛の原因となり、靭帯性支持の破綻や炎症が症状に関与します。疼痛は臀部、鼠径部、大腿後外側へ放散することがあります(Standring, 2021)。
- 尾側硬膜外麻酔(caudal epidural block): 仙骨裂孔をランドマークとし、仙骨管へ穿刺して仙骨神経領域の鎮痛を得ます。解剖学的変異(裂孔形態、仙骨角の触知困難)に留意します(Moore et al., 2023)。
- 二分脊椎(spina bifida)関連: 仙骨後弓の形成不全は潜在性二分脊椎の一部としてみられ、仙骨裂孔の形態にも影響します(Standring, 2021)。