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片山正輝
目次(V. 神経系) 、III. 脳神経 Nervi capitales, Hirnnerven

嗅糸 Fila olfactoria
基本構造
- 第I脳神経(嗅神経)として嗅覚を担う神経系統である。
- 鼻粘膜嗅部の双極性嗅細胞から伸びる無髄軸索によって構成される。
解剖学的特徴
- 内側と外側の2列(各16~24本)の神経線維束として篩骨篩板を通過する。
- 感覚細胞の突起が中枢へ直接投射される特殊な構造をもつ。
走行と分布
- 内側の嗅糸は鼻中隔上部の粘膜に分布し、篩骨正中板の小溝内を走行する。
- 外側の嗅糸は上鼻甲介と中鼻甲介の粘膜に達する。
- 各嗅糸は脳膜の鞘状突起に包まれ、個別に篩板の孔を通過して嗅粘膜に到達する。

図516(翼口蓋神経節の根と枝)
嗅球から発する淡い色の嗅糸は、約20本あり、共通の幹に合することなく、内側と外側の2列に分かれている。各嗅糸は脳膜の鞘状突起に包まれ、個別に篩板の孔を通って嗅粘膜に到達する。
a) 内側の嗅糸は鼻中隔上部の粘膜に広がり、篩骨正中板の小さな溝内を走行する。
b) 外側の嗅糸は上鼻甲介と中鼻甲介の粘膜に達する(図516(翼口蓋神経節の根と枝) 参照)。嗅上皮における嗅糸の起始については、感覚器の項を参照のこと。

J0902 (硬脳膜:上方からの図)

J0904 (硬脳膜と頭蓋骨を通る神経)

J0910 (右側の鼻壁の神経)

J0911 (鼻中隔の神経:左方からの図)