0911 (鼻中隔の神経:左方からの図)

J0911 (鼻中隔の神経:左方からの図)
図の概要
この図は左側から見た「鼻中隔の神経」を示しています。鼻腔の中隔粘膜に分布する知覚神経(一般体性感覚)と、嗅覚を司る特殊感覚神経の走行が描かれています。
番号の説明
- 01 内側鼻枝(中隔前鼻枝:前篩骨神経の分枝)
- 三叉神経第1枝(眼神経 V1)由来の前篩骨神経が、鼻腔前上部の中隔粘膜へ向かう枝。
- 鼻前庭から鼻中隔の前上部の痛覚・触覚・温冷覚を伝える。
- 02 切歯管(切歯孔へ通じる管)
- 硬口蓋の正中前方で、鼻腔と口腔(切歯孔)を連絡する骨管。
- 後述の鼻口蓋神経(V2)がここを通って口蓋へ至り、前方硬口蓋の知覚を担う通り道となる[1]。
- 03 嗅神経(I)
- 嗅上皮から篩骨篩板を貫いて嗅球へ向かう特殊感覚線維。
- 匂いの情報を中枢へ伝える。知覚(痛み・触覚)を担う三叉神経とは別系統。
- 04 鼻口蓋神経(V2 の分枝)
- 三叉神経第2枝(上顎神経 V2)由来。蝶口蓋孔から鼻腔へ入り、鼻中隔の後下部を走って切歯管を経て硬口蓋前方へ。
- 鼻中隔後下部と前方硬口蓋の知覚を伝える。Scarpa 神経とも呼ばれる。
役割の整理
- 嗅覚: 嗅神経(I)
- 一般知覚(痛覚・触覚・温冷覚)
- 前上部中心: 前篩骨神経の内側鼻枝(V1)
- 後下部中心: 鼻口蓋神経(V2)
臨床メモ(簡潔)
- 上前部の刺激痛は V1 系、後下部や前方硬口蓋のしびれは V2 系が関与。
- 上顎前歯部の歯科処置で切歯孔ブロックを行うと、鼻中隔前方までしびれが及ぶことがある(鼻口蓋神経の走行に一致)。
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A06_0022(鼻中隔)Nasal septum →Septum nasi【鼻中隔】Nasal septum (A06_1_02_004)