屈筋支帯[足の]Retinaculum musculorum flexorum pedis
足の屈筋支帯は、足関節内側の重要な靭帯構造であり、解剖学的にも臨床的にも重要な意義を持っています(Standring, 2016)。

J0350 (右足の関節で、足底側からの図)

J0513 (右下腿の筋(第二層):後方からの図)

J0514 (右下腿の筋(第3層):後方から図)

J0515 (右下肢の筋(第4層):後方からの図)

J0519 (右足の足底の筋(第3層))

J0524 (右足の筋:脛側からの図)

J0525 (右足の腱鞘は、脛骨側から赤い物質で注入された図)

J0526 (右足底の腱鞘は赤い物質で注入された図)

J0966 (右下腿の筋神経:後方からの図)

J0967 (右足底の皮神経、下方からの図)

J0968 (右足底の深部神経、下方からの図)
解剖学的特徴
起始と停止:
- 内果の後下縁から起始し、内側に扇状に拡がり、踵骨内側隆起、距骨下関節、舟状骨粗面に停止します(Moore et al., 2018)。
- 上縁は下腿筋膜と連続し、下縁は足底筋膜の深層と連続しています(Netter, 2019)。
構造的特徴:
- 約5-6mm厚の強靭な結合組織で、浅層と深層の二重構造を形成しています(Joshi et al., 2006)。
- 浅葉は主に後脛骨筋腱を覆い、深葉は長趾屈筋腱と長母趾屈筋腱を覆います(Louie et al., 2014)。
- 内果後方を通過する腱群を骨性溝に保持し、屈筋支帯下を通過する構造は深部から浅部へ「Tom, Dick, Harry, Nerve, Artery, Vein(TDHNAV)」の順に配列されています(Tom=後脛骨筋腱、Dick=長趾屈筋腱、Harry=長母趾屈筋腱)(Drake et al., 2020)。
機能
生体力学的役割:
- 歩行時に屈筋腱群を適切な位置に保持し、腱の側方逸脱を防止します(Kelikian and Sarrafian, 2011)。
- 足関節の内側安定性に寄与し、踵骨の外反を制限します(Keenan et al., 2011)。
- 足部内側アーチの維持に貢献し、筋腱の滑走を促進する滑車機構としても機能します(Menz, 2008)。
神経血管の保護:
- 脛骨神経と後脛骨動静脈を覆い、これらの重要構造を機械的損傷から保護します(Ahmad et al., 2012)。
- 腱滑液鞘を形成し、腱の滑走性を高めています(Turan et al., 2015)。
臨床的意義