腕橈骨筋 Musculus brachioradialis
腕橈骨筋は前腕の主要な筋肉の一つであり、その解剖学的特徴と臨床的意義は以下の通りです(Gray and Lewis, 2008; Standring, 2020):

J0175 (右上腕骨とその筋の起こる所と着く所:前方からの図)

J0176 (右上腕骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

J0183 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手掌側からの図)

J0461 (右上腕の筋:橈側からの図)

J0466 (右上腕の筋:掌側図)

J0468 (右上腕の筋:背面図)

J0470 (右上腕の筋(深層):背面図)

J0471 (右前腕の筋:前面からの図)

J0472 (右前腕の筋:手掌側からの図)

J0476 (右前腕の筋:橈側からの筋)

J0477 (右前腕の筋:背面図)

J0478 (右前腕の筋:背面図)

J0576 (右上腕の動脈、手掌側からの図)

J0578 (右前腕第1層の動脈、手掌側図)

J0940 (右上腕の筋神経:前方からの筋)

J0941 (右前腕の神経:表面的な層からの図)

J0942 (右前腕の神経、深い層:前面からの図)

J0947 (右上腕の筋神経:後方からの図)

J0948 (右前腕の筋肉の神経、後外側からの図)
解剖学的特徴
- 起始:上腕骨外側上顆上稜(外側縁)の遠位2/3部分(Standring, 2020)
- 停止:橈骨遠位端の茎状突起の近位部(Moore et al., 2018)
- 位置:上腕遠位部の外側から前腕近位部の橈側面にかけて存在
- 支配神経:橈骨神経(C5-C6)(Spinner, 1978)
- 血液供給:橈側反回動脈、橈骨動脈(Testut and Latarjet, 1948)
腕橈骨筋は解剖学的区分では前腕前面の筋群に属しますが、機能的には肘関節の屈筋として作用します(Netter, 2019)。また筋の走行は前腕の浅層を構成しており、前腕の橈側縁を形成する重要な指標となります。
機能
- 主機能:肘関節の屈曲(Kapandji, 1982)
- 補助機能:前腕の回内位と回外位の間(中間位)への移動(Neumann, 2017)
- 最大の力発揮:前腕が中間位(半回内位)にあるとき(Basmajian and De Luca, 1985)
肘関節が強く屈曲している状態では、筋電図学的に腕橈骨筋の活動が最も高くなることが確認されています(Basmajian and De Luca, 1985)。これは日常生活における物を持ち上げる動作などで重要な役割を果たします。
臨床的意義
- 腕橈骨反射:C5-C6神経根の評価に用いられる深部腱反射(Hoppenfeld, 1976)
- 橈骨神経麻痺:腕橈骨筋の機能低下や消失が生じる(Seddon, 1972)
- 前腕コンパートメント症候群:急性外傷や過度の使用により圧が上昇し、筋肉の虚血を引き起こす可能性(Mubarak and Hargens, 1981)
- 筋電図検査:橈骨神経障害の診断に重要(Kimura, 2013)