腹直筋鞘は、腹直筋の腱膜が癒合して腹直筋を包んでいます。外腹斜筋の腱膜は腹直筋鞘の前葉に入ります。内腹斜筋の腱膜の下半分は前後2葉に分かれ、腹直筋鞘の前後両葉に入りますが、下部では前葉だけに入ります。腹直筋の腱膜は、同じくこれより上では腹直筋鞘の後葉に入りますが、これより下ではすべて腹直筋鞘の前葉に至ります。したがって下部では、腹直筋鞘の後葉は欠けており、腹直筋の後面は直接横筋筋膜に覆われます。この両者の境界線を弓状線といいます。その位置は臍輪から4-6cm下方にありますが、個人差が大きいです。