中足骨[1-5] Ossa metatarsalia [I-V]

J0269 (右足の第三中足骨と趾骨:足底面からの図)

J0348 (右足の関節:足の上部からの図)

J0272 (右足の骨、足の背面からの図)

J0350 (右足の関節で、足底側からの図)


J0353 (右足の関節:足の関節、足の背面)

J0389 (右足:わずかに下向き、横向きの位置、内外側方向からのX線像)
解剖学的概要
中足骨は、足部中央を構成する5本の長管骨で、足根骨と基節骨の間に位置し、足部の骨格構造において重要な役割を果たしています(Gray, 2020; Netter, 2018)。これらは足部の前後軸に平行に配列され、内側から第1〜第5中足骨と番号付けられます。
解剖学的構造
各中足骨は以下の3つの部分から構成されます(Standring, 2020):
- **基部(底、Base):**近位端で、足根骨と関節を形成します。第1中足骨は内側楔状骨と、第2中足骨は中間楔状骨と、第3中足骨は外側楔状骨と、第4・第5中足骨は立方骨と関節します。
- **体部(骨幹、Body/Shaft):**中央部の長い柱状部分で、やや後方に凸の湾曲を示します。断面は三角形に近く、足底面は平坦、背側面は凸状を呈します。
- **頭部(Head):**遠位端で、基節骨底と中足趾節関節(MTP関節)を形成します。関節面は球状で、特に足底側に広がっています。
個々の中足骨の特徴
- **第1中足骨:**最も太く短い。2つの種子骨(内側種子骨・外側種子骨)が頭部足底面の溝に埋め込まれています。母趾の体重負荷において重要な役割を果たします(Sarrafian, 2011)。
- **第2中足骨:**最も長く、基部は楔状骨の間に深く嵌入しており、リスフラン関節の「要石(keystone)」として安定性に寄与します(Myerson et al., 1986)。
- **第3中足骨:**第2中足骨に次いで長く、外側楔状骨と関節します。
- **第4中足骨:**立方骨と関節し、第3中足骨とも側方で関節します。
- **第5中足骨:**基部外側に顕著な結節(第5中足骨粗面)があり、短腓骨筋が付着します。この部位は骨折の好発部位です(Lawrence & Botte, 1993)。
関節と靱帯
- **足根中足関節(リスフラン関節):**中足骨基部と足根骨遠位列との関節。リスフラン靱帯(第2中足骨基部と内側楔状骨を結ぶ)が重要な安定化機構です(Nunley & Vertullo, 2002)。
- **中足趾節関節(MTP関節):**中足骨頭と基節骨底との関節。屈曲・伸展運動と限られた内外転運動が可能です。
- **中足骨間関節:**隣接する中足骨基部間の関節で、足根中足靱帯と中足骨間靱帯により強固に連結されています。
血管供給