大腿骨頭窩

大腿骨頭窩とは、大腿骨頭の頂点からやや下方にある小さな凹みのことです。この凹みには、大腿骨頭靭帯が付着しています。

日本人のからだ(平田和明 2000)によると

(1)大腿骨頭窩の形態

大腿骨頭窩は大腿骨頭の中心部に位置し、大腿骨頭の血供給を支える血管が通る小さなくぼみです。この部位は、臼蓋靭帯(大腿骨と寛骨臼をつなぐ強い靭帯)の固定点でもあります。大腿骨頭窩に異常があると、大腿骨頭の血流が阻害され、大腿骨頭壊死などの疾患を引き起こす可能性があります。大腿骨頭窩の形態は、大腿骨頭靱帯の緊張により変化すると考えられています。楕円形が530側中290側(54.7%)を占め、三角形が188側(35.5%)、円形が22側(4.1%)、菱形が18側(3.4%)、不正形が12側(2.3%)です。大腿骨頭窩は大部分が窪んでおり、530側中36側(6.8%)では、骨頭窩に相当する骨隆起が観察されました(大場・福田、1950)。