尾骨 Os coccygis [Vertebrae coccygeae I-IV]

尾骨は、脊柱の最下端に位置する三角形の小さな骨で、ヒトの退化した尾の名残です。通常、成人では長さ約2.5cmほどです(Standring, 2016)。解剖学的特徴と臨床的意義は以下の通りです:

解剖学的特徴

靱帯と筋肉の付着部

神経支配

臨床的意義

尾骨は小さな構造ですが、骨盤底の筋肉や靱帯の支持点として機能し、座位姿勢の安定や排便機能にも関与する重要な解剖学的構造です(Kiapour et al., 2020)。また、尾骨部の痛みは日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、臨床的にも重要視されています(Foye et al., 2017)。