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目次(VI. 感覚器)

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骨迷路は前庭Vestibulumと呼ばれる中央部、その前方にある蝸牛Cochlea、および後方にある半規管Canales semicircularesから構成される。前庭には膜迷路に属する2つの小嚢がある。骨性の蝸牛の中には膜性の蝸牛管Ductus cochlearisが、また骨性の半規管の中には膜性の3つの半規管が存在することは、その名称からも明らかである。

内耳道Meatus acusticus internusは内耳神経および迷路の脈管を導く管であり、骨迷路と密接な関係を持っている。まずはこの内耳道について検討しよう。

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[図687] 新生児の左側頭骨錐体部

[図688] 内耳道底(左側頭骨)(×3)

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[図689]左側の骨迷路を開示した図(×5)

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[図690691] **小児の骨迷路(左)**×2

図690は外側から、図691は内側からの観察像を示す。

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[図692]蝸牛ラセン管を開いたところの模型図×5

1, 2, 3は蝸牛軸(1:蝸牛軸底、2:蝸牛軸、3:蝸牛軸板)、4, 4, 4は骨ラセン板、5は骨ラセン板鈎、6, 6, 6は隔壁を示す。3と3の間には蝸牛孔が見える。7は鼓室階、8は前庭階を示す。

[図693]蝸牛の中央を通る断面 ×5(Arnoldによる)

2, 2, 2は骨ラセン板、3, 3, 3は鼓室階、4, 4, 4は前庭階、5は蝸牛軸を構成する多孔性の骨質を示す。

[図694]蝸牛管の上端

dcは蝸牛管、kは頂盲端、hは骨ラセン板鈎、tは蝸牛孔を示す――前庭階(読者に近い方にあり、その上壁は除去済み)と鼓室階との間の開放性連絡。

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[図695697]骨迷路の鋳型(ベルリン大学解剖学教室所蔵の標本、M. Wendland作図)×2

図695は左迷路の外方からの図、図696は右迷路の内方からの図、図697は左迷路の上方からの図である。a, a, aは半規管の膨大部、sは上半規管、pは後半規管、eは外側半規管、cは蝸牛、*c'*はラセン孔列、foは前庭窓、frは蝸牛窓、reは卵形嚢陥凹、rsは球形嚢陥凹、avは前庭小管を示す。

1. 内耳道 Meatus acusticus internus, innerer Gehörgang

2. 前庭 Vestibulum, Vorhof

3. 骨半規管 Canales semicirculares, knöcherne Bogengänge

4. 蝸牛Cochlea, knöcherne Schnecke

骨ラセン板 Lamina spiralis ossea

迷路の鋳型 Labyrinthgussform