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片山正輝

目次(V. 神経系)

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脊髄の動脈系は主に以下の3種類で構成される:

  1. 前脊髄動脈(Aa. spinales ventrales):椎骨動脈の枝である。両側の小血管が下方に向かって接近し、脊髄上端で合流して不対の前脊髄動脈(A. spinalis ventralis)となる。この動脈は脊髄前面の中央を前正中裂の入口前に沿って、ほぼ一定の太さで走行する。終糸まで達し、そこで両側の後脊髄動脈と弓状に吻合する。参考:A12_0529(前脊髄動脈)Anterior spinal artery☆
  2. 後脊髄動脈(Aa. spinales dorsales):椎骨動脈の枝であり、前脊髄動脈よりやや下方から起始する。対側のものと合流せず、脊髄と後根の間を走行する。 参考:A12_0526(後脊髄動脈)Posterior spinal artery☆
  3. 脊髄枝の中小枝(Ramuli medii der Rami spinales):椎骨動脈、肋間動脈、腰動脈、腸腰動脈、外側仙骨動脈の脊髄枝 )を指す。

参考:A12_0518(脊髄枝(椎骨動脈の))Spinal branches of vertebral artery○A12_0580(脊髄枝(第一肋間動脈の))A12_0653(脊髄枝(肋間動脈後枝の))A12_0671(脊髄枝(腰動脈の))Spinal branch of lumbar artery )、A12_0671(脊髄枝(腰動脈の))Spinal branch of lumbar artery )、A12_0767(脊髄枝(外側仙骨動脈の))

前脊髄動脈は走行中、常に矢状方向に前正中裂深部へ細枝を送る。これらの枝は各側で1列をなし、前交連を通って脊髄の両側半に入る。同様に、後脊髄動脈および軟膜の血管網全域から小枝が放射状に脊髄内に侵入する。これらの小枝は主に脊髄内の中隔系を通過する。中隔系の結合組織に伴われ、多数の細動脈が灰白質に到達する。白質内部ですでに小枝を出し、これらが神経線維束を包む伸長した網目状の毛細血管網を形成する。灰白質の毛細血管網はより密で、狭い多角形の網目を形成する。

脊髄内部の動脈枝はすべて終動脈(Endarterien)である。

静脈 Venen

リンパ管 Lymphgefäße