前脊髄動脈
前脊髄動脈は、以下の特徴を持つ重要な血管です:
- 脊髄の前面を走り、脊髄に酸素と栄養を供給する主要な血管です
- 左右の前脊髄動脈は合流し、一本の動脈となって正中を下行します
- 延髄下部で内部に入る正中枝と、脊髄の前正中裂から内部に入る溝枝を分岐します
- 前根動脈から分岐した吻合枝によって連絡しています
- 脊髄円錐を取り込んでいる動脈輪および前脊髄円錐を取り囲んでいる動脈輪と交通しています
前脊髄動脈の重要な機能として、延髄の傍正中領域に血液を送り、錐体、内側毛帯、内側縦束、舌下神経核の大部分、孤束核と迷走神経背側核(運動核)の尾側領域、内側副オリーブ核などに栄養を供給します
また、前脊髄動脈の閉塞は重大な結果をもたらす可能性があります:
- 片側の前脊髄動脈が閉塞すると、延髄の損傷により下交代性の片麻痺が起こる可能性があります
- この症状は、舌の同側性麻痺と対側性麻痺を特徴とします
- 内側毛帯も損傷を受けるため、対側の知覚欠損も起こる可能性があります
J0567 (脳底の動脈)
J0570 (脳を取り除いた後の頭蓋内の大きな脳動脈の位置:左側からの右頭蓋の図)
J0571 (脳を取り除いた後の頭蓋内の大きな脳動脈の位置:頭蓋骨の上方からの図)
日本人のからだ(後藤 昇・国府田 稔 2000)によると