https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
現在の構造と機能
発生学的特徴
解剖学的関連
組織学的特徴
ヒトのヤコブソン器官は痕跡的で、もはや感覚作用を持たない。この器官の外側壁は鼻粘膜の呼吸部上皮で覆われている。一方、内側壁の上皮は丈が高く嗅部上皮に似ており、細長い細胞を有する。しかし、糸状の感覚細胞は存在しない。ここには円柱状の支持細胞があり、その間にそれより短く自由表面に達しない紡錘形の細胞がある。この細胞は、嗅細胞の完全な段階まで発達しないもの、あるいは高度な発達段階から逆に萎縮したものと考えられるが、さらに発達した補充細胞とも解釈できる。
上皮全域に散在する多数の桑実状または球状の石灰結石は、この器官がすでに機能を停止したことを示している。
Köllikerの指摘によれば、胎生8週の人胎児では、ヤコブソン器官に嗅糸の1枝が到達している。この神経はヤコブソン器官の上皮から中枢へ伸びたと考えられるため、この時期には器官が高度に発達していたといえる。その後、退行性変化が生じるのである。
切歯管(Ductus incisivus)と切歯乳頭(Papilla incisiva)はヤコブソン器官と密接な関係にある(4. 外鼻の内面を被うもの Die Auskleidung der äußeren Nase 、a) 左右の主鼻腔 Die beiden Hauptnasenhöhlen )。機能しているヤコブソン器官を持つ哺乳動物では、この器官はその動物の嗅粘膜と同様の構造を有している。
嗅覚の中心伝導路については図483(有線領(鳥距型)の8細胞層)、484(海馬足の模型図)、485(嗅球を通る横断面)、486(嗅球と嗅索の構造を示す模型図) 、図505(中枢における嗅覚伝導路とその反射系) およびI.嗅覚器 Organon olfactus, Geruchsorgan 、1. 上行性の伝導路系 Aufsteigende Leitungssysteme を参照されたい。
図483(有線領(鳥距型)の8細胞層)、484(海馬足の模型図)、485(嗅球を通る横断面)、486(嗅球と嗅索の構造を示す模型図)