主要な筋膜構造
- 腰筋膜と腸骨筋膜は腸腰筋を被覆し、鼡径靱帯の下を通って大腿の前面深部に達する
- 大腿筋膜は強靱な線維性の筒として大腿の筋群全体を包み、上方で鼡径靱帯、外側で腸骨稜、内側で恥骨結合部と連続する
- 下腿筋膜は皮下に露出する下腿骨表面および骨稜と強固に結合し、前後の筋間中隠を形成する
重要な解剖学的構造
- 大腿管は大腿輪と鎌状縁の間に位置する重要なヘルニア管で、大腿ヘルニアの好発部位である
- 足背には3つの腱鞘(前脛骨筋、長母指伸筋、長指伸筋)があり、十字靱帯から各々の停止部まで伸びている
足部の特殊構造
- 足底腱膜は踵骨から中足骨小頭まで伸びており、足底の軟部組織を保護する強力な伸張帯を形成する
- 足の皮下には複数の粘液嚢(腓骨踝、脛骨踝、踵骨、中足指節間)が存在し、関節運動を円滑にしている
[図591] 大腿輪の模型図 *はローゼンミューラー腺
[図592] 大腿の筋膜:前面からの図。*は腸脛靱帯を示す。
[図593] 下腿および足背の筋膜:前面からの図。
[図594] 大腿の筋膜:後方からの図。
[図595] 下腿の筋膜:後方からの図。
[図596] 足背における腱鞘(Corning, topogr. Anatomieより)
[図597] 足における腱鞘、外側面(Corning『局所解剖学』より)
[図598]**足における腱鞘:**内側面(Corning『局所解剖学』より)
1. 腰筋膜および腸骨筋膜 Fascia psoica und Fascia iliaca
2. 恥骨筋膜 Fascia pectinea
3. 大腿筋膜 Fascia lata
4. 下腿筋膜 Fascia cruris
5. 足背筋膜 Fascia dorsalis pedis
6. 足底腱膜 Aponeurosis plantaris
脈管および神経が筋膜を貫く場所 Durchtrittsstellen der Gefäße und Nerven durch die Faszien