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RK583(足底における筋群(I):足底腱膜)

(工藤は日本人の足底腱膜を3型に分類し、50体側のうち、第I型33体側(66%)、第II型9体側(18%)、第III型8体側(16%)であると報告した[工藤得安:北越医学会会報、31巻、98〜107、1916]。)

足底の腱膜は、その中央部が強力な伸張帯(Streckband)となっており、足底の深部軟部組織を保護している。これは踵骨隆起の脛側・腓側両結節から中足骨小頭まで延びている。両側部は足底の3つの筋群に対応し、表面では溝により、深部では隔壁によって互いに区分されている。内側部は薄く、外側部ははるかに硬く、特に踵骨の腓側結節と第5中足骨底との間が硬い。中央部は手掌腱膜と同様に、後方ほど幅が狭く厚くなり、前方に行くほど幅が広く薄くなり、最終的に5つの尖頭に分かれてそれぞれ各指に達する。多数の横走線維がこれらを互いに連結している。

また、垂直に走る線維束によって皮膚に固着されている。中足指節関節の近くでは、全ての尖頭がそれぞれ2つの束に分かれ、これらは屈筋の腱を包み、関節の靱帯装置と強固に結合している。幅広い横走線維束が遠位にあり、これは指間の皮膚のひだの近くに達している。これが皮下横足底靱帯(Lig. plantare transversum subcutaneum)である(RK583(足底における筋群(I):足底腱膜) )。

深葉、すなわち深足底筋膜(Fascia plantaris profunda)は中足骨から骨間筋を越えて張り、骨間筋の筋束の起始となっている。――E. Loth, Morph. Jahrb., 38. Bd., 1908. ――A. Henikel, Arch. Anat, Phys. 1913, Anat. Abt., Suppl.

指の腱鞘、すなわち**[足の]指腱鞘**(Vaginae tendinum digitorum pedis)およびその補強靱帯は、手について述べた関係と同じである。輪状靱帯(Ligg. anularia digitorum pedis)、鞘状靱帯(Ligg. vaginalia digitorum pedis)、十字靱帯(Ligg. cruciformia digitorum pedis)を区別する。