精索は、精管が血管、神経とともに皮膜に包まれた、約11.5cm長の紐状の構造です。精巣上体から深鼠径輪に達します。蔓状静脈叢、精巣動脈、脂肪、平滑筋などが含まれています。精索と子宮円索は共に鼠径管を通っていますが、その由来は同じではありません。女性では、精索(精管)に相当するものはほとんど退化しています。わずかに卵巣状態(の縦管)として残り、子宮円索は男性の精巣導帯(精巣の下端と陰嚢の皮膚をつなぐ結合組織で、ハンター導帯とも呼びます)に相当します。このように、由来の異なるものが男女で同じ場所を通っている原因は、女性では卵巣下降が子宮の高さで止まり、卵巣が腹腔外に出てこないためです。