横行結腸 Colon transversum

J0589 (前腸間膜動脈の枝:腹面図)

J0635 (消化管のやや模式的な概観図)

J0718 (小腸:正面からの図)

J0720 (大腸と腸間膜の根:前方からの図)

J0723 (肝臓を引き上げたときの網嚢への入口)

J0724 (十二指腸空腸陥凹、前方からの図)

J0727 (男性の正中矢状断での腹膜の経過:赤色、やや模式的に示している)
横行結腸は大腸の一部で、解剖学的特徴と臨床的意義を以下に詳述します:
解剖学的特徴
- 位置と走行:右結腸曲(肝彎曲)から左方向に走り、やや上昇して脾臓の下端で左結腸曲(脾彎曲)に達します。肝彎曲は脾彎曲より低位にあります (Standring, 2021)。
- 長さと径:長さは約30〜50cmで、径は約4〜5cmです。他の結腸部位と比較して細く、内腔も狭くなっています (Moore et al., 2022)。
- 腹膜関係:外側は腹膜によって完全に被覆され、腹膜臓器(intraperitoneal organ)に分類されます (Drake et al., 2020)。
- 支持構造:長い横行結腸間膜(mesocolon transversum)によって後腹壁に固定されています。この間膜は膵臓の前面と十二指腸水平部の上縁に付着しています (Netter, 2019)。
- 周囲構造:
- 前面:大網(omentum majus)が覆い、腹壁との間に位置します
- 後面:十二指腸水平部、膵体部、空腸起始部に接しています
- 上面:肝臓左葉、胃の大彎と関係します
- 血管支配:
- 動脈:主に中結腸動脈(上腸間膜動脈の分枝)が栄養しますが、右側は右結腸動脈、左側は左結腸動脈(下腸間膜動脈の分枝)からも血液供給を受けます (Sinnatamby, 2018)
- 静脈:中結腸静脈は上腸間膜静脈に、左結腸静脈は下腸間膜静脈に合流し、門脈系を形成します
- リンパ排導:中結腸リンパ節を経て、上腸間膜リンパ節に流入します (Agur and Dalley, 2021)
- 神経支配:交感神経は腹腔神経叢と上・下腸間膜神経叢から、副交感神経は迷走神経(右側)と骨盤内臓神経(左側)から受けています (Hansen, 2019)
可動性と位置変化
- 広い横行結腸間膜により大きな可動性を持ち、体位によって位置が変化します (Standring, 2021)。
- 仰臥位では最下部がほぼ臍の高さにありますが、直立位では下腹部、時には骨盤腔まで下垂することがあります。
- 一般的に前下方に凸の弓状を呈し、中央部は下垂しています(U字型)(Muro et al., 2018)。
- 横行結腸間膜によって、腹膜腔は上腹部(肝・胃・脾などの上腹部臓器を含む)と下腹部(小腸や下部消化管を含む)の2部に大まかに区分されます。
組織学的特徴
- 粘膜層:単層円柱上皮と多数の杯細胞を持ち、Lieberkühn腺が存在します (Young et al., 2020)
- 粘膜下層:豊富な血管とリンパ管、神経叢(Meissner神経叢)を含みます