食道 Oesophagus

J0426 (頭側から見た気管始部を通る頚部の断面図)

J0434 (横隔膜:腰部、腹腔からの図)

J0586 (男性の腹部大動脈:腹面図)

J0622 (男性の下大静脈、前方からの図)

J0635 (消化管のやや模式的な概観図)

J0639 (頭頚部の正中矢状断:左側からの右半分の図)

J0678 (咽頭:後方からの図)

J0685 (食道と気管とその周囲:前方からの図)

J0686 (胃ほとんど空:正面からの図)

J0689 (胃の内壁:前壁が切断されて、後壁の粘膜が見える図)

J0759 (左の胸腔と縦隔、肺および胸膜の除去:左側からの図)

J0760 (胸骨を通る水平断面:上方からの図)

J0761 (胸骨を通る水平断面:上方からの図)

J0763 (甲状腺、近隣の臓器に対する位置:背面からの図)

J0924 (胸腔および腹腔にある左迷走神経:左側からの図)

J0976 (右交感神経の胸部網状組織、右前方からの図)

J0977 (腹腔神経叢:前面からの図)
食道は、消化管の重要な通過経路であり、咽頭から胃へと連なる筋性の管状器官です (Standring, 2023)。以下、その解剖学的特徴と臨床的意義について説明します。
1. 解剖学的特徴
1.1 形態と位置
食道は咽頭から胃へと連なる筋性の管状器官で、消化管の重要な通過経路を形成しています (Moore, Dalley and Agur, 2023)。成人における全長は約23〜26cm(上切歯列から胃噴門までは約40cm)で、第6頸椎(C6)レベルから第11胸椎(Th11)レベルまで走行します (Drake, Vogl and Mitchell, 2024)。走行の特徴として、頸部では正中線上を通り、胸部では左方に偏位し、腹部で再び正中へと戻ります (Netter, 2023)。
1.2 生理的狭窄部
食道には臨床的に重要な3つの生理的狭窄部が存在します (Standring, 2023):
- 上部狭窄(輪状軟骨部):第6頸椎レベルに位置し、食道入口部を形成します (Moore, Dalley and Agur, 2023)。
- 中部狭窄(大動脈弓・左主気管支交差部):第4-5胸椎レベルに存在します (Drake, Vogl and Mitchell, 2024)。
- 下部狭窄(横隔膜裂孔部):第10-11胸椎レベルに位置します (Snell, 2023)。
1.3 壁構造
食道壁は内側から外側へ、以下の層構造を持ちます (Standring, 2023; Moore, Dalley and Agur, 2023):
- 粘膜:重層扁平上皮、粘膜固有層、粘膜筋板から構成されています (Drake, Vogl and Mitchell, 2024)。
- 粘膜下層:疎性結合組織であり、血管・神経叢が豊富に分布しています (Netter, 2023)。
- 筋層:内輪走・外縦走の二層構造を持ち、部位により筋の種類が異なります (Standring, 2023):
- 上部1/3は横紋筋で、随意的な嚥下に関与します (Moore, Dalley and Agur, 2023)。
- 中部1/3では横紋筋と平滑筋が混在しています (Snell, 2023)。
- 下部1/3は平滑筋で、不随意的な蠕動運動を行います (Drake, Vogl and Mitchell, 2024)。
- 外膜:疎性結合組織からなり、胸部では縦隔胸膜で覆われています (Standring, 2023)。
2. 臨床的意義
2.1 括約筋機能
- 上部食道括約筋(UES):安静時には収縮し、嚥下時に弛緩します (Moore, Dalley and Agur, 2023)。