軟口蓋;口蓋帆

軟口蓋は口と口腔咽頭、口腔咽頭と鼻咽頭の間に不完全な隔壁を形成する口蓋の後部筋肉部分です。骨格の支柱を持たず、厚い結合組織板(口蓋腱膜と口蓋筋)が基盤を形成し、その表面は粘膜で覆われています。軟口蓋の後部を特に口蓋帆と呼び、その中央部は後下方に突出して口蓋垂を形成します。軟口蓋を後上方に挙げ、咽頭の後壁に押す作用は、嚥下を開始する時に特に見られます。この動きにより、口腔と鼻咽頭は隔てられ、食物は口腔から鼻腔へ流れることなく、咽頭へと送り込まれます。また、この動作は発声時にも見られます(音声が鼻腔に漏れないようにするため)。

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J0910 (右側の鼻壁の神経)