外側頭(腓腹筋の)Caput laterale (Musculus gastrocnemius)
腓腹筋の外側頭は、下腿後面のふくらはぎを構成する2つの頭部のうちの1つです。解剖学的位置としては、膝窩の外側に位置し、表層の筋として容易に触知することができます(Gray, 2020)。この筋は二関節筋であり、膝関節と足関節の両方をまたいで作用します。

J0239 (右大腿骨と筋の起こる所と着く所:前方からの図)

J0340 (右の膝関節:背面からの図)

J0513 (右下腿の筋(第二層):後方からの図)

J0514 (右下腿の筋(第3層):後方から図)

J0966 (右下腿の筋神経:後方からの図)
解剖学的特徴
起始
- 大腿骨外側顆の後面、関節面のすぐ上方(Standring, 2021)
- 膝関節包の後面
- 起始部は腱性で、約5-7cmの長さを持つ
- 起始腱には約20-30%の症例でファベラ(種子骨)が含まれる(Kawashima et al., 2007)
筋腹
- 起始部から遠位に向かって筋腹が広がり、下腿後面の外側を覆う
- 筋腹の長さは約12-15cm
- 筋線維は羽状配列を示し、効率的な力発揮を可能にする
- 筋線維タイプ:Type II(速筋)線維が約60-70%を占め、爆発的な力発揮に適する(Lieber and Fridén, 2019)
停止
- 下腿中央部で内側頭と合流し、アキレス腱(踵骨腱)を形成
- アキレス腱はヒラメ筋腱と融合し、踵骨隆起の後面に付着
- アキレス腱の長さは約15cm、幅は約4-6cm
- 停止部では90度の捻転が生じ、外側頭由来の線維は踵骨のより内側に付着する
神経支配