0239 (右大腿骨と筋の起こる所と着く所:前方からの図)

J0239 (右大腿骨と筋の起こる所と着く所:前方からの図)
この図は「右大腿骨の前面」を基準に、筋の起始・停止部を示したものです。左は骨表面の付着範囲、右は主な筋線維の走行方向まで描かれています。赤い陰影が付着部、赤い線が線維の方向を表します。
要点
- 基準骨:右大腿骨(前面観)。近位は大転子周辺、遠位は膝関節部までを表示。
- 付着表示の意味:赤で塗られた隆線や粗面=起始または停止の「面」。点状や線状の赤=腱の付着や線維の走行。
主要な付着(図中番号と対応)
- 00 大腿骨(骨そのものの参照)
- 01 腓腹筋 Gastrocnemius
- 膝後面に向かう二頭筋のうち、本図では前面から見える外側上顆近くの付着域が示唆されています(停止は踵骨腱)。
- 02 腓腹筋 外側頭
- 大腿骨外側上顆周囲の起始。後方へ回り込む筋腹に連続。
- 03 小殿筋 Gluteus minimus
- 大転子前外側面近くの停止。腸骨外面から来て、大転子前面へ付着。
- 04 外側広筋 Vastus lateralis
- 大転子前外側〜粗線(外側唇)に広く起始。膝蓋骨(膝蓋腱経由で脛骨粗面)へ停止。
- 05 内側広筋 Vastus medialis
- 粗線内側唇に沿う広い起始。膝蓋骨へ停止し、下方では膝蓋骨内側支帯を形成。
- 06 中間広筋 Vastus intermedius
- 大腿骨前面・外側面の広い起始。大腿四頭筋の深層で膝蓋骨へ。
- 07 膝関節筋 Articularis genus
- 下部前面に小さく起始し、膝関節包前面を上方へ牽引する小筋。
周辺のランドマークと臨床メモ
- 大転子周囲は殿筋群(中殿筋・小殿筋)の重要な停止部で、股関節外転の力点。
- 大腿骨体の粗線(linea aspera)は内外の広筋の主要な起始ライン。大腿四頭筋の機能障害ではこのラインに圧痛が出ることあり。
- 遠位の外側上顆・内側上顆は膝周囲筋(腓腹筋、内外側側副靭帯付着)のランドマーク。