
J0217 (右の寛骨:筋の起こる所と着く所を示す内側からの図)











腸骨筋は骨盤内に位置する扇状の平坦な筋肉で、腸腰筋複合体(iliopsoas complex)の重要な構成要素です。大腰筋(psoas major)と機能的に密接に連携し、股関節の主要な屈筋として作用します。以下に解剖学的特徴と臨床的意義について詳述します(Neumann, 2017; Standring, 2020)。
腸骨筋は骨盤の腸骨窩(fossa iliaca)内に位置し、腸骨筋膜(fascia iliaca)に包まれています。筋肉は扇状の平坦な形態を呈し、腸骨窩の凹面形状に密着して広がっています。筋繊維は腸骨窩の広い起始部から下内側方向へ収束しながら走行し、最終的に細い腱となって停止部に至ります(Standring, 2020; Drake et al., 2019)。
腸骨筋の起始は以下の複数の部位から構成されます:
これらの広範な起始により、腸骨筋は骨盤内で大きな断面積を持つ強力な筋肉となっています(Moore et al., 2018)。
筋繊維は起始部から下内側方向へ集束しながら走行します。小骨盤(pelvis minor)の外側縁に沿って進み、骨盤腔から出る際には大腰筋の外側に密接して位置します。両筋は鼠径靭帯(ligamentum inguinale)の下方にある筋裂孔(lacuna musculorum)を通過して大腿部に入ります。この部位では、腸骨筋と大腰筋は実質的に一つの機能的単位として作用します(Neumann, 2017)。
腸骨筋は大腰筋の外側に合流し、共通の腱(腸腰筋腱、tendo iliopsoas)を形成します。この共通腱は以下の経路を辿ります: