尺側手根伸筋 Musculus extensor carpi ulnaris
尺側手根伸筋は、前腕背側の伸筋群の中で最も尺側に位置する重要な筋肉であり、手関節の運動と安定化において中心的な役割を果たします(Gray et al., 2020; Standring, 2021)。

J0175 (右上腕骨とその筋の起こる所と着く所:前方からの図)

J0176 (右上腕骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

J0178 (右の尺骨:橈側からの図)

J0183 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手掌側からの図)

J0184 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手の裏側からの図)

J0205 (右の手骨:筋の起こる所と着く所を示す手掌側からの図)

J0206 (右の手骨:および筋の起こる所と着く所を示すの背面からの図)

J0461 (右上腕の筋:橈側からの図)

J0468 (右上腕の筋:背面図)

J0470 (右上腕の筋(深層):背面図)

J0476 (右前腕の筋:橈側からの筋)

J0477 (右前腕の筋:背面図)

J0478 (右前腕の筋:背面図)

J0479 (右前腕の筋(深層):背面図)

J0480 (右手の背面)

J0580 (右前腕の動脈:背面図)

J0581 (右手背の動脈)

J0948 (右前腕の筋肉の神経、後外側からの図)
解剖学的特徴
位置と形態
- 前腕背側コンパートメントの内側部に位置し、浅層伸筋群の最尺側に配置されます(Netter, 2019)
- 筋腹は細長い紡錘形を呈し、前腕の近位2/3を占めます。遠位1/3では強靭な腱に移行します(Moore et al., 2018)
- 単羽状筋の構造を示し、筋線維は中央腱に対して斜めに配列しています(Drake et al., 2020)
- 筋の体積は約15-20 cm³で、生理学的断面積は約2-3 cm²です(Lieber et al., 1992)
起始部の詳細
尺側手根伸筋は二頭起始を示します:
- 上腕頭(superficial head)
- 上腕骨外側上顆の共同伸筋腱(common extensor tendon)から起始します
- この部分は他の浅層伸筋(長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋)と腱性起始を共有します(Standring, 2021)
- 起始面積は約1.5-2.0 cm²です
- 尺骨頭(deep head)
- 尺骨背側縁の中間1/3から起始します(Drake et al., 2020)
- 前腕深筋膜からも一部の線維が起始します
- 肘関節包後方および輪状靭帯からも付着線維を受けます(Agur and Dalley, 2017)
- この尺骨頭は筋の主要部分を構成し、より強力な収縮力を発揮します
走行経路
- 筋線維は近位から遠位へ、内側から外側へ斜めに走行し、中央の腱に集束します(Standring, 2021)
- 前腕中央部では、筋は尺骨の背側面に沿って走行し、深層では尺骨骨膜に直接付着します(Agur and Dalley, 2017)
- 前腕遠位1/3で筋腱移行部を形成し、以降は腱性となります(Moore et al., 2018)
- 腱は手関節レベルで尺骨頭と尺骨茎状突起の間に形成される尺側溝(ECU groove)を通過します
- この溝は線維性腱鞘によって覆われており、腱を所定の位置に保持します(Spinner and Kaplan, 1984)
- 伸筋支帯(extensor retinaculum)の第6腱区画を通過します。この区画は最も尺側に位置します(Netter, 2019)