前十字靭帯 Ligamentum cruciatum anterius
前十字靭帯(ACL: Anterior Cruciate Ligament)は、膝関節の安定性を維持する最も重要な靭帯の一つです(Amis & Dawkins, 1991)。

J0247 (右の脛骨と腓骨:上方からの図)

J0335 (右の膝関節と脛骨:上方からの図)

J0336 (右膝関節:関節の中央をおおよそ通る矢状断)

J0337 (右の膝関節:前方からの図)

J0338 (右膝関節:前方からの図)

J0339 (右膝関節:後方からの図)
解剖学的特徴
起始と停止
- 起始:脛骨の前顆間区(area intercondylaris anterior)の内側部から起こります(Girgis et al., 1975)。
- 停止:大腿骨外側顆の顆間窩内側面の後部に付着します(Girgis et al., 1975)。
走行と構造
- 後外方に向かって斜めに走行し、上昇しながらやや扇状に広がります(Amis & Dawkins, 1991)。
- 長さは約38mm、幅は約11mmです(Odensten & Gillquist, 1985)。
- 前内側線維束(AM束:anteromedial bundle)と後外側線維束(PL束:posterolateral bundle)の2つの機能的線維束から構成されます(Girgis et al., 1975)。
- AM束は膝屈曲時に緊張し、PL束は膝伸展時に緊張します(Amis & Dawkins, 1991)。
血管支配と神経支配
- 中膝動脈(arteria genus media)からの血管が靭帯を栄養します(Arnoczky, 1983)。
- 機械受容器が豊富に分布し、固有感覚(proprioception)に重要な役割を果たします(Schultz et al., 1984)。
機能
前十字靭帯は以下の重要な機能を担っています:
- 一次的制動機能:脛骨の大腿骨に対する前方移動(前方引き出し)を制限します(約85%を担当)(Butler et al., 1980)。
- 回旋制動:膝関節の過度な内旋を抑制します(Markolf et al., 1976)。
- 過伸展の制限:膝関節の過伸展を防止します(Kennedy et al., 1974)。