長腓骨筋腱溝 Sulcus tendinis musculi fibularis longi

J0255 (右の踵骨:外側から少し上方からの図)

J0268 (右の立方骨:下方からの図)

J0270 (右足の骨、側面からの図)

J0273 (右足の骨:足底からの図)

J0351 (右足の関節:足底側からの図)

J0352 (右足の関節:足底からの図)
解剖学的特徴
長腓骨筋腱溝(腓骨筋腱溝)は、長腓骨筋腱が通過する重要な解剖学的構造であり、以下の詳細な特徴を有します(Standring, 2016; Moore et al., 2018):
位置と形態:
- 踵骨外側面の中央やや前方に位置する浅い骨溝です(Netter, 2018)。
- 踵腓靱帯付着部の凸起(腓骨滑車 Trochlea fibularis)のすぐ前方に存在します(Standring, 2016)。
- 後上方から前下方へ斜めに走行する溝状の形態を呈します。
- 溝の深さは個体差がありますが、通常は浅く、腱の滑走を許容する形状となっています(Moore et al., 2018)。
機能的解剖:
- 長腓骨筋腱は、外果の後方を回り込んだ後、この溝を通過して足底方向へ向かいます(Standring, 2016)。
- 溝内では、長腓骨筋腱は上腓骨筋支帯および下腓骨筋支帯によって保持されます(Moore et al., 2018)。
- 腱は踵骨外側面を通過した後、立方骨の外側面および下面(立方骨溝)を経て、足底を斜めに横断し、内側楔状骨および第1中足骨底に停止します(Netter, 2018)。
- この経路により、長腓骨筋は足関節の底屈および外反、さらに足アーチの支持に重要な役割を果たします(Moore et al., 2018)。
臨床的意義
外傷と障害:
- 長腓骨筋腱の脱臼:外傷や先天的に溝が浅い場合、腱が溝から脱臼することがあります。特にスポーツ外傷で見られます(Dombek et al., 2003)。
- 腓骨筋腱炎:過度の使用や不適切な運動により、この溝を通過する腱に炎症が生じることがあります(Heckman et al., 2009)。
- 腓骨筋腱周囲炎:腱鞘炎として溝周囲に炎症が起こり、外側足部痛の原因となります(Dallaudière et al., 2014)。
- 踵骨骨折:踵骨外側壁の骨折では、この溝の形態が変化し、腱の滑走障害や疼痛を引き起こすことがあります(Buckley et al., 2002)。