0255 (右の踵骨:外側から少し上方からの図)

J0255 (右の踵骨:外側から少し上方からの図)
(硝子軟骨で覆われた関節面は、図J0254 (右の踵骨:内側からの図)とJ0255 (右の踵骨:外側から少し上方からの図)では青く着色されています。)
図の解説(J0255 右の踵骨:外側から少し上方)
この図は踵骨を外側やや上方から見たもので、硝子軟骨で覆われる関節面が青で示されています。
- 01 踵骨溝(Sulcus calcanei)距骨の溝(距骨溝)と合わさって「距骨洞(tarsal sinus)」を形成します。距踵間靱帯群が走り、後足部の安定に寄与します。
- 02 後距骨関節面(Facies articularis talaris posterior)距骨下面の後距骨関節面と関節し、距踵関節の後室を構成。荷重伝達の主面の一つ。
- 03 踵骨隆起(Tuber calcanei)踵骨の後端で、アキレス腱(踵骨腱)が付着。立位時の荷重支持点で、足底腱膜や短趾屈筋などの起始部にも関連します。
- 04 踵骨隆起外側突起(Processus lateralis tuberis calcanei)外側の荷重面を広げ、外側縦アーチの支持に関与。腓側組織の付着・滑走面のランドマーク。
- 05 中距骨関節面(Facies articularis talaris media)距骨下面の中間関節面と接し、距踵関節の前室の一部。距骨下関節の捻り運動(回内・回外)に寄与。
- 06 前距骨関節面(Facies articularis talaris anterior)距骨の前関節面と接します。前室の関節包・靱帯とともに後足部の可動性を調整。
- 07 立方骨関節面(Facies articularis cuboidea)立方骨と形成する踵立方関節の関節面。ショパール関節の一部で、横足根関節の回旋軸に関与します。
- 08 腓骨筋滑車(Trochlea fibularis/Peroneal trochlea)短腓骨筋腱は滑車の上方、長腓骨筋腱は下方を通ることが多い滑走隆起。外果下の腱走行を案内する目印で、肥大や形態差が臨床上重要。
- 09 長腓骨筋腱溝(Sulcus tendinis m. fibularis longi)長腓骨筋腱が立方骨方向へ向かう滑走溝。腱鞘炎やインピンジメントの好発部位となることがあります。
位置関係と機能の要点
- 青く示された3面(02 後距骨、05 中距骨、06 前距骨)は距骨下関節の関節面で、回内・回外の複合運動を生みます。
- 07 は前方での安定と推進力伝達を担う踵立方関節。
- 03 と 04 が荷重支持の後方支点を形成し、アキレス腱牽引力を受け止めます。
- 08 と 09 は外側足部の腱滑走路で、腓骨筋群の機械的有利性を確保します。