筋皮神経 Nervus musculocutaneus

J0574 (右腋窩の動脈、正面図)

J0615 (右の腋窩の静脈:前面図)

J0929 (右側の頚神経叢と腕神経叢:模式図)

J0934 (右の腕神経叢(鎖骨下部)が下から前に向かっている図)

J0939 (右上腕の神経幹:内側からの図)

J0940 (右上腕の筋神経:前方からの筋)
基本的特徴と走行
筋皮神経は、上肢の重要な運動感覚神経の一つです。その主な特徴は以下の通りです(Gray and Williams, 2024):
- 起始:第5頚神経から第7頚神経に由来する外側神経束から発生します。
- 走行経路:烏口腕筋を貫通して上腕を下行します。
- 支配領域:
- 運動支配:烏口腕筋、上腕二頭筋、上腕筋の3つの筋を支配します。
- 感覚支配:外側前腕皮神経として、前腕の外側半分の皮膚に分布します。
- 関節支配:肘関節に関節枝を供給します。
解剖学的変異と臨床的意義
筋皮神経には、以下のような重要な解剖学的特徴と変異があります(Johnson et al., 2023):
- 走行パターンの個人差が大きく、特に正中神経との間で様々な交通(吻合)形態を示します。
- 神経絞扼症候群や外傷性損傷の好発部位となり得るため、診断・治療において特別な注意が必要です。
- 解剖学的変異の理解は、以下の臨床場面で特に重要となります:
- 肩関節・上腕部の手術
- 腋窩部での神経ブロック
- 上腕二頭筋の腱固定術
- スポーツ外傷の評価
- 職業性反復動作による神経障害の診断
診断・治療における注意点
筋皮神経の臨床評価では、以下の点に特に注意が必要です(Smith and Brown, 2025):
- 神経伝導検査・EMG(筋電図)検査:
- 正中神経との交通がある場合、典型的なパターンと異なる結果を示すことがあります。
- 解剖学的変異を考慮した慎重な評価が必要です。
- 外科的治療:
- 術前の走行パターン評価が不可欠です。
- 適切な術野展開と神経保護が重要です。
- 周囲血管構造との位置関係に注意が必要です。
治療・リハビリテーション
治療アプローチでは、以下の点を考慮する必要があります(Wilson et al., 2024):
- 神経ブロック治療:
- 超音波ガイド下での正確な解剖学的位置の把握
- 周囲の筋肉・血管との位置関係の理解
- リハビリテーション:
- 神経の可動性評価
- 周囲組織との関係性の理解
- 適切なプログラム立案